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知的障害者福祉研究報告書
平成5年度調査報告  〜精神薄弱者福祉研究報告書〜


施設見学・ヒヤリング記録

武蔵野障害者総合センター デイセンター山びこ見学記録

社会福祉法人 武蔵野障害者総合センター デイセンター山びこ(精神薄弱者更正施設(通所))〜柴田洋弥氏〜 No.2

デイセンター山びこ 平成5年度の事業計画概要

◎施設の概要
施設の名称 デイセンター山びこ
施設種別 精神薄弱者更正施設(通所)
定員 40名(平成5年度25名)
設置・運営 社会福祉法人 武蔵野障害者総合センター
開設 平成5年6月1日
所在地 武蔵野市吉祥寺北町4-11-16 武蔵野障害者総合センター内
電話 0422-54-5102 FAX 54-5192

◎山びこの目的
○重い知的障害をもち、作業中心の活動がむずかしい人への援助を行う通所施設です。
○武蔵野障害者総合センター内では、最も重い障害をもつ人たちの地域生活を支える役割を担います。
○利用者ができる限り自ら主体的に選択・決定し、さまざまな活動を通して社会参加・自己実現を図ることめざします。

◎援助の考え方
○利用者の人としての尊厳とプライドを尊重し、利用者が安心できる場、楽しく通える場、主体的に参加できる場を形成します。
○利用者個々人の障害や特性に応じて、できるだけ個別化した活動計画により援助します。
○活動については、利用者個々人の意思や希望を尊重し、文化的な生活が豊かに保障され、個性が輝くような多様な内容と機会を準備します。
○利用者が個々人の状態に応じて様々な援助システムを有効に活用し、地域社会で安心して生活できるよう支えます。
○社会生活技能の修得指導や身体機能の訓練なども行いますが、その場合は特定の目標・利用者・期間・時間などを限定し、本人・家族の合意の上で実施します。
○共同援助者としての家族との連携を図ります。

◎5年度の重点目標
○利用者が安心でき、楽しく通える人間的・空間的・時間的環境づくりを最優先の課題とします。
○利用者の意思表現を理解するとともに、さまざまなコミュニケーション方法を開発・活用します。

◎利用者のようす(平成5年6月1日現在)
○性別……男性10名、女性12名、計22名。
〇年齢……18歳〜31歳 平均21歳
○愛の手帳…1度(最重度)1名、2度(重度)20名、3度(中度)1名。
○身体障害者手帳…肢体不自由:1級2名、2級2名、5級1名。 視覚障害:1級1名。
○合併症……自閉症(自閉傾向含む)11名。てんかん12名。

◎グループの特長
○全体を障害特性の異なる3グループに分け、各グループ別に活動します。
○Agr(7名) 重い身体障害を併せもつ人や、ゆっくりしたリズムの人たち。
○Bgr(7名) 難病などがあり、ゆっくりリズムで、仲間どうしの関係が大事な人たち。
○Cgr(8名) 自閉症をもち、活発で、個別の活動が大事な人たち。

◎年間予定表
○4月 9/開設準備通所事業開始
○5月 18/開発準備通所事業終了
○6月 4/施設内覧 7/開所式・gr別始業式・半日活動開始、21/全日活動開始
○7月 gr別保護者会、23-25/障害者福祉の日福祉展
○8月 9-18/夏休み
○9月 gr別保護者会、26/障害者福祉の日運動会、27/振替休み
○10月 gr別宿泊旅行(Agr?@5-6,?A13-14、Bgr?@7-8,?A28-29、Cgr?@22-23)
○11月 gr別宿泊旅行(Cgr?A5-6)、21/総合センター祭り、22/振替休み
○12月 gr別保護者会、28-1月5/冬休み
○1月 6/gr別新年会、20/成人を祝う会
○3月 gr別保護者会、31/gr別終業式
その他 家族参観週間2週間、職員全員研修約3日間、春休み4月上旬

◎1日の時間表(予定)
○月・火・水・金曜日
8:30 職員全体ミーティング、送迎準備
8:45 職員gr別ミーティング、リフトカー・ワゴン車出発、活動準備
9:30 利用者登所開始、個別活動、リフトカー・ワゴン車到着、
10:00 午前gr別活動
11:30 Agr昼食・個別活動
11:40 Bgr昼食・個別活動
11:50 Cgr昼食・個別活動
13:00 午後gr別活動
14:45 Agr活動終了、リフトカー出発、個別活動
15:00 Bgr・Cgr活動終了、ワゴン車出発、個別活動、利用者帰宅
15:30 職員休憩(送迎職員休憩は12:15〜13:00)
16:15 職員gr別ミーティング
16:45 主任ミーティング、翌日準備
○木曜日(午前は上記と同じ)
13:00 午後gr別活動
13:45 Agr活動終了、リフトカー出発、個別活動
14:00 Bgr・Cgr活動終了、利用者帰宅、ワゴン車出発、個別活動
14:30 職員休憩(送迎職員休憩は12:15〜13:00)
15:15 職員gr別ミーティング
15:30 職員会議・gr別職員会議(第3木曜は総合センター各委員会)
○6月7日〜18日(午前は上記と同じ)
13:00 個別活動
13:15 Agr活動終了、リフトカー出発、個別活動
13:30 Bgr・Cgr活動終了、利用者帰宅、ワゴン車出発、個別活動
14:00 職員休憩(送迎職員休憩は12:15〜13:00)
14:45 職員gr別ミーティング
15:15 主任ミーティング
15:30 職員会議・gr別職員会議(17日は各委員会・活動準備)


★音楽講師(月曜)、◆臨床心理士(月曜または木曜)、☆陶芸講師(隔週金曜)◇織物講師(月1回金曜)

○活動は個々の利用者の状況に対応して可能な限り個別に計画し、参加利用者にとって有効な範囲において小集団活動として行います。また、個々の利用者が主体性を確立し自信をもてるように、活動時間内に複数の活動内容から選択できること、活動の時間配分についても選択できることを原則とします。また、利用者がよりよく意思表現できるように表現方法についても工夫します。表現や自己選択の困難な利用者については、その表情等から、最も適した活動内容・活動時間を職員が設定します。
○室内活動の内容
Agr:織物・和紙すき・和紙染め・紙粘土・料理・マット運動・レク・他
Bgr:織物・和紙すき・シルク印刷・料理・絵画・音楽・レク・他
Cgr:織物・加工作業・シルク印刷・料理・レク・他

○外出(半日外出・一日外出)の内容
Agr:野外レク・散歩・社会見学・レジャー施設・ドライブ・買物・外食・他
Bgr:野外レク・散歩・社会見学・レジャー施設・バス電車・買物・外食・他
Cgr:野外レク・散歩・社会見学・レジャー施設・バス電車・買物・外食・ハイキング・他
(注、ホールは、火曜日3時以後に大地が、水曜日午後にふれあいが使用します)

◎給食・保健衛生
○給食:毎日給食を行います。必要に応じて特別食(きぎみ食・流動食・経管栄養食・肥満対策食等)を提供します。食事時間は11時30分〜12時30分とし、食堂か活動室で食事します。
○精神科健康管理:嘱託精神科医師が毎月2回総合センターに来所します。
○整形外科健康管理:嘱託整形外科医師も毎月2回総合センターに来所します。
○理学療法士・作業療法士によるリハビリ:武蔵野市障害者福祉センターの協力を得る方向で検討中です。
○健康診断:利用者の定期健康診断を年間2回、保健センターでおこないます。
○歯科・耳鼻科・眼科検診:検討中です。
○体重測定:定期的に行います。
○定期通院者健康管理:定期通院者については、疾病の状態把握に努めるとともに、主治医とよく連絡し、その助言を得ます。
○健康の自己管理:利用者が可能な限り自分の健康を自分で管理するよう、利用者の理解を進めるとともに、自己管理しやすい方法を工夫します。

◎通所送迎
○自力通所:自力通所の見込める利用者については、なるべく自力通所できるよう、家族と協力して通所練習を行います。
○家族送迎:可能な場合はなるべく家族が送迎することとします。
○ワゴン車・リフトカー送迎:家族送迎が困難な利用者は、ワゴン車かリフトカーによって送迎します。可能な場合は、徒歩によることもあります。

◎保護者との協力
○連絡帳:毎日使用します。
○保護者会:gr別に、年間4回おこないます。
○家族参観週間:2週間程度とし、なるべく父母の参観を求めます。
○個別援助計画:ある利用者の援助計画を立てるに当たっては、その家族の意見を尊重します(一人の利用者について、その家族と共同して援助します)。


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