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知的障害者福祉研究報告書
平成5年度調査報告  〜精神薄弱者福祉研究報告書〜


施設見学・ヒヤリング記録

所沢市立キャンパス 見学記録

所沢市立キャンバス(心身障害者通所施設) 〜社会福祉法人皆成会 廣瀬貴一氏〜

(同行者は上に同じ・場所は添付資料参照)

○所沢市が設置し、皆成会光の園が運営する公設民営。運営側が設計の段階から加わり、意見が取り入れられた。
○対象は、知的障害者及び肢体不自由者。肢体不自由者も通える施設はここだけである。
○和室、陶芸室などは地域に開放している。また、地域の書道家・画家等が教えに来てくれている。
○班編成は障害別ではなく、?Tグループ=「なにか楽しんでもらう人」と?Uグループ=「作業のできる人」とに分けている。
?Tグループは車椅子の人が多く、?Uグループは知的障害者が多い。?T・?Uの入れ替えはある。
○生活サービスの一つに、肢体不自由者の入浴サービスを行っている(通所施設では通常行わない)。肢体不自由者は体が大きいと家庭での入浴は困難であるため、利用希望は多い。ただやはり、人手の確保が難しい。

<廣瀬氏談>
○最近の施設はハードに費用をかけすぎている。
例:調布福祉園(都立民営の入所施設)80人の施設で、64億円
○入所施設で建て替え期にあって困っているところがたくさんある。
ハードに、特徴のあるソフトを付随させるなどの工夫が必要である。
○レスパイトの施設としては、一点豪華主義ではなく、地域の中に小さいのを点在させる方がよい。
○障害別に集める施設は良くない。
○外国の諸施設は見る価値がある。ただし、傾向はやはり通所である。
日本国内の入所施設も見て比較してみることをすすめる。

所沢市立キャンバス
平成5年度運営計画

?T. キャンバスの概要
<名 称> 所沢市立キャンバス
<設 置> 所沢市
<運 営> 社会福祉法人 皆成会
<所在地> 所沢市下富653−5
<対象者> 所沢市に住所を有する、15歳以上の心身障害者
<定 員> 知的障害者  30名 (現員 28名)
肢体不自由者 20名 (現員 15名)
<職 員>所長 1、事務員 1、指導員 15、運転員 2、調理員 3(内パート2)嘱託 3(内科医 1、整形外科医 1、理学療法士 1、音楽療法士 1)

?U. キャンバス運営の基本方針

1. 利用者一人ひとりの人権が十分に尊重され、毎日喜んで通所出来る、明るく楽しくやりがいのある施設づくりをめざします。
2. 施設職員として必要な倫理・資質の向上をはかります。
3. 作業・職場実習、運動・機能訓練、余暇活動、生活サービスなどのプログラムを準備し、出来る限り個々の利用者や家族のニーズに即して実施します。
4. 利用者や家族、職員の話し合いを十分に持ち、施設の民主的な運営を心がけます。
5. 地域社会の一員として、地域に開かれ融和した施設づくりをめざします。

−このため平成5年度は、特に次の事項に重点を置き運営します。−

(1)「施設は人である!」と、よく言われます。特に今年度は、施設開設2年目にあたり、研修・見学などの機会を通じて、施設職員として必要な倫理・資質の向上をはかります。

(2)「僕は、こう思う。」「私は、こうしたい。」活動のいろいろな場面で、可能な限り利用者の意見や希望を聴き、利用者自身が自己主張・自己選択・自己決定が出来る機会を多くします。また、利用者との対等で自由なディスカッションを通して、適切な対応を心がけます。

(3)個々の利用者や家族のニーズを的確に把握し、出来る限り適切な相談・助言・指導・援助が実施出来るよう努力します。

(4)"受け身"でいるのではなく、出来るだけ積極的に具体的に地域の皆さんに開かれ受け入れられる施設づくりを心がけます。

?V. キャンパスの指導内容

<指導領域>
?@ 作業(陶芸、染色、園芸、工芸など)
?A 運動・理学療法(散歩、雑巾がけ、マラソン、リズム運動、水泳、トランポリン、柔道、PT訓練など)
?B 余暇活動(ワープロ、トーキングエイド、茶道、調理、音楽鑑賞、朗読鑑賞、ビデオ鑑賞、買物、外食、外出など)
?C 生活サービス(入浴、ブラッシングなど)
?D 行事(ハイキング、運動会、旅行、文化祭など)
?E 健康(嘱託医の定期健診と療育相談、医療センターなどでの年1回の健康診査)

<班編成>


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