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【設計内容】各部分をできる限り手づくりでできるよう設計する

 

<建設材料>

●建物は少しずつ増築できる方法で、素人が参加できる構法でないと人任せになってしまう。このような場合の材料として丸太や竹、土、石などの自然素材は自由度が高くふさわしい。

 

<骨組・壁>

●丸太や竹で骨組をつくり、竹を割いて木舞(こまい)をつくり、土壁を塗ってゆく。泥湿地や田んぼの土は土壁に最も適している。土壁は必ずしも職人でなくてもできる技術である。足元まわりに石を積んだり、竹を仕上げに使うなど自由である。生石灰(きせっかい)は土を固めることもできれば仕上げの素材にもなる。白壁でも赤壁でも自由である。

 

<屋根>

●屋根を葺(ふ)くのはやさしくないが、緑化屋根なら防水だけが問題として残る。自然素材で出来る防水は、いくつか方法があるが、柿渋や和紙、生石灰、杉皮などを組合わせることによって可能である。カヤがあればカヤでも良い。

 

<建築形態>

●谷地に向かって緩やかに傾斜する斜面を傷つけずに建物をつくるには、土地を削らないで松杭などによって高床の建物をつくり、階段状に増築していけば良い。建物の形は土地の形状に合わせて自然に不定形になっていくであろう。

 

<床>

●床は板が手に入れば板でよいし、雑材でつくって土間にしてもよい。廃材は何かと役に立つ。

 

<その他の部分>

●古材が手に入るようであれば仕上材や家具として生かすこともできる。シュロ縄、ワラ縄なども様々に利用価値がある。縄は材料があれば手づくりでもよい。小物の道具は竹や雑木なとの雑材を使って何でもつくることができる。

 

●工業製品を用いないと難しいものもある。ガラスなどは廃ガラスから手のべでつくることも可能だが、そこまでやるのはしんどいだろう。丁番(ちょうつがい)、鍵などの金物、電気器具など部品として購入せざるを得ないものも多いだろう。ただしこういうものも廃材リサイクルで探すことは可能である。

 

 

 

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