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昭和5年(1930年)魚津漁港改修工事の際に地下に埋もれた数多くの樹根が海岸付近で発見されました。その後、富山湾岸の四方沖、神通川河口、入善沖などでも同様な昔の森林が水没し、樹根だけが残っている埋没林が次々と発見されました。

成因については、急激な地盤の沈下によるもの、気候温暖化による海水準の上昇などの諸説があります。

魚津の埋没林から発掘された樹根は、大きなものは直径4m、周囲12m、樹齢1,000年内外と見られるものなど大小二百数十株にのぼっています。炭素による年代測定では、約2,500年前から2,000年前に原生林が水没したものとみられ、木の種類は杉が9割を占めています。

 

*富山深海長谷

富山湾に発する舟底形の深みで、富山舟状海盆中に谷中谷を形成して舟状海盆を400mも深くえぐって、蛇行しながら糸魚川沖付近のフォッサマグナの延長付近まで進み、そこから北に向きを変え、大和堆の東側を通って延びる長大な海底峡谷で、その全長は500kmにもおよびます。

 

*あいがめ

富山湾の海岸は急深なっていて、深い海底谷を造っています。海底谷の色あいが藍染めの汁を蓄えておく瓶のあい色をしていることからこの深所を「あいがめ」と呼んでいます。

 

ロ. 中海

*マッドランプ

平成3年2月、島根県の宍道湖の東側にある大きな塩水湖中海に注ぐ飯梨川河口200m沖(水深4m)に長さ約50m、幅約20m、高さ約1mの二つの三日月形をした泥の島が出現しました。

生成の原因は、中海の柔らかい泥の層の上に、川から流れ出した重い砂の層が乗り、この砂の圧力に押されて泥の塊が、層の薄い所を突き破って水面上に隆起する大変珍しい現象です。

これまで、アメリカのミシシッピー川でしか観察、報告されていないそうで、専門的には、マッドランプ(mud lump)現象といいます。この泥の島の出現は今回が初めてではなく、過去に何回か出現していますが、いずれは浸食によって水没する運命にあるようです。

 

 

 

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