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3.5.2 平成9年度モデル港湾(大船渡港)

 

(1) 想定地震の設定

想定地震は、「太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調査」(農林水産省、水産庁、運輸省、建設省)で設定された断層モデルを用いた。

「太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調査」では、東北沿岸を分ける3つの地体区分について、それぞれ幾つかの想定地震を設定しているが、ここでは三陸地方の沿岸に面する地体区分のほぼ中央に設定された想定地震を用いた。想定断層による初期水位分布を図3-5-8に、波源パラメーターを表3-5-3に示す。

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(2) 地形データの作成

収集資料を元に、大船渡港の現況地形データを作成した。地形は50m間隔で格子化し、各格子における水深、標高、防波堤位置を読みとった。

地形データ作成に用いた資料を表3-5-4に示す。また、作成した水深図を図3-5-9に示す。

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(3) 計算結果

大船渡港における津波水位時系列出力点を図3-5-10に示す。また、想定地震による津波水位時系列及び津波流速時系列を図3-5-11(1)〜(2)、図3-5-12(1)〜(4)に示す。これを見ると、湾口に第1波が到達するのが地震発生約30分後、港奥(地点7)では約40分後であることがわかる。

最大水位分布を図3-5-13に、最大流速分布を図3-5-14に示す。最大水位は湾口防波堤内で最大約2.5m程度である。また、最大流速は湾口防波堤付近で最大となり、6m/sec以上となっている。

 

 

 

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