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2.2 オホーツク海における流氷の概要と特性

 

2.2.1 発生および発達過程

(1) 流氷の区分

「気象庁海氷用語(気象庁海洋気象部海上気象課、昭和50年7月)」により関連する用語の定義をまとめた。なお、流氷に関する用語集としては第一管区海上保安本部による「海氷用語の解説」もあげられるが、気象庁海氷用語から北海道関連の事項を抜粋したものとなっている。巻末の添付資料として第一管区海上保安本部流氷情報センターが発行したパンフレット「北海道の流氷」からの流氷写真を載せた。

浮氷(Floating ice): 水に浮いているあらゆる形態の氷。

海氷(Sea ice): 海水が凍結してできた、海で見られるすべての氷。

陸氷(Ice of land origin): 陸上または、たな氷で形成されて水に浮いている氷。

湖氷(Lake ice): 観測されたところに関係なく湖でできた氷。

河氷(River ice): 観測されたところに関係なく河川でできた氷。

流氷(Pack ice): 定着氷以外のすべての海氷域を含める広義の用語で、その形態や配置に関係しない。

氷盤(Floe): 直径が20m以上の比較的平らな流氷盤。大きさによって巨大氷盤(10km以上)、巨氷盤(2〜10?)、大氷盤(500m〜2?)、中氷盤(100〜500m)、小氷盤(20〜100m)に分けられる。

新成氷(New ice): 新しくできた氷に対する総称で、晶氷、グリースアイス、スポンジ氷などが含まれる。

晶氷(Frazil ice): 水中を浮遊する微細な針状あるいは板状の氷。

グリースアイス(Grease ice): 晶氷より後の凍結段階で、晶氷がお互いに集まって水面にスープ状の層を作っている。グリースアイスは光をあまり反射しないので海面は鈍く見える。

スポンジ氷(Shuga): 直径数cmの海綿状の白い氷の集合体。

ニラス(Nilas): 薄い弾力のある外殻のかたい氷で、波やうねりでたやすく曲げられ強く押されると指を組み合わせたような形(指状のし上がり)になる。表面は光沢がなく暗いニラス(厚さ5cm以下)と明るいニラス(厚さ5〜10cm)に分けられる。

氷殻(Ice rind): 穏やかな海面で直接結氷するか、またはグリースアイスから形成されるもろくて輝いた表面の硬い氷。

板状軟氷(Young ice): ニラスから一年氷への移行の段階で、厚さによって薄い板状軟氷(10〜15cm)と厚い板状軟氷(15〜30cm)に分けられる。

一年氷(First year ice): 板状軟氷から発達し、一年より長くは経過しない流氷で、薄い一年氷(30〜70cm)、並みの一年氷(70cm〜120cm)、厚い一年氷(120cm〜2m)に分けられる。

 

 

 

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