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1.4 1974年SOLAS条約1983年改正

 

1983年6月,ロンドンにおいて開催された拡大海上安全委員会で,1981年改正の際に見送られていた第III章〔救命設備〕及び第VII章〔危険物の運送〕についての改正が1983年改正として採択され,1986年7月1日発効した。

主な改正として

?第III章〔救命設備〕が全面書き改められ,生存艇用の非常用位置指示無線標識装置,救助艇,イマーション・スーツ,保温具等多数の新しい型の救命設備が導入された。

?第VII章〔危険物の運送〕は全面的に書き改められ,個品輸送及び化学的危険性を有する固体ばら積み物質の運送について,それぞれ従来から運用されているIMDGコード(The International Maritime Dangerous Goods Code)及びBCコード(The Code of Safety Practice for Solid Bulk Cargoes)を脚注引用し,更に化学薬品タンカーの構造及び設備を規定するIBCコード(International Bulk Chemical Code)並びにガス運搬船の構造及び設備を規定するIGCコード(International Gas Carrier Code)を導入している。

 

1.5 1974年SOLAS条約1988年改正

 

(1)1987年3月ベルギー北西部ジーブルージ港沖合で発生した英国籍“ベラルド・オブ・フリーエンタープライズの転覆事故を契機としてIMOでは,ロールオン・ロールオフ旅客船の貨物区域への海水流入防止対策を講じ,脱出時の非常誘導灯を設ける等の条約改正を行い,1988年4月21日改正条約が採択され,1989年10月22日に発効した。

主な改正は第II-1章(構造-区画,機関,電気設備)について,ロールオン・ロールオフ旅客船に対する次の規定が追加された。

?閉鎖装置の表示器,漏水検知装置,監視装置の設置

?非常誘導灯等の設置

(2)1979年以来IMOを中心として,海上遭難安全通信手段を改善するため,最新の技術を導入した新しい全世界的な海上遭難安全システム(GMDSS)の検討が行われていたが,1988年11月GMDSS導入に関しSOLAS条約の改正が採択され,1992毎2月1日に発効した。

主な改正は次のとおりである。

?第II-1章〔構造-区画,機関及び電気設備〕について無線設備等に対する非常電源の規定が追加された。

?第III章〔救命設備〕についてGMDSS導入による救命艇用無線設備等が改正された。

 

 

 

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