通常工事契約から工事用図面の出図(現場工事着手)までの期間が短かいので、手際よく処理しなければならない。
すなわち設計部門が詳細な物量を提示し得る時期は、艤装工事もそれだけ切迫した時期であるから、その時期になって現場作業時数、電線使用数量など精密に算出されても計画管理上の価値が乏しく、次にくる計画事項が遅れる結果にならないよう注意しなければならない。
次頁に日程表の一例を示す。
4.3.2 図書管理
承認用、工事用、完成図面の出図、原図の保管など管理要領規定を制定し、それによって処理を行う。
必要な時期に客先、関係官庁又は船級協会への承認図書の提出処理、電装工事用図書の必要部門への出図、船内試験方案、付属品、備品、予備品などに関し、さらに完成図書についても適切な管理が必要である。
また必要に応じてこれらの図書、特に完成図書などのマイクロ写真化を図って保管することも考慮する。(工事設計図書の項目については電気装備技術基準(その2)1.9項及び電気艤装設計編1.2項を参照)
4.3.3 技術資料管理
長期的視野から技術資料管理、生産技術管理、及び技術情報管理などについて、企業規模に応じた標準化のための規定を制定する。
技術面の適用すべき国内、外の規則、規格類の整備、またこれらの社内規格への適用を図る。
技術図書の管理は適切に行い、企業に関連した工業所有権などの特許情報を検討し、かつ、把握する必要がある。
これらの保存方法、保存期間などを制定し定期的に廃却、保存継続をチェックする。
技術開発の動向、新製品、新技術の研究発表、製品の廃止情報、参考資料などを収集し各部門への伝達などを実施する。
業務の再検討と意見具申制度などを利用できる体制に整える。
クレームに関連するサービスレポートを検討し、また現場工事のフィードバック制度の活用などを検討し社内規定、仕様の変更、改善などに反映させる。
これらの資料は分類区分し、必要に応じて直ちに利用できるような体制にする。