2. タイ国の現況
2.1 基礎情報
(1)国土面積 51.4万km2
(2)人 口 5,940万人(1994)
(3)政 体 立憲君主制 議員内閣
(4)経済指標 国民総生産 1,299憶ドル(1994)
1人当たり国民総生産 2,210ドル(1994)
1人当たり国民総生産成長率 8.2%(1994)
(5)地 勢
インドシナ半島の中央部を占め、西から北にミャンマーとの国境線が延び、北東はメコン川を境にラオスと、南東はカンボジャに、南はマレーシアに接する。国土はほぼ北高南低で、北部の高地、東北部のコフート台地、中部平原、南のマレー半島に大別される。北部から中部を貫流するメナム(チャオプラヤ)川がタイ(シャム)湾に注いでいる。
(6)気 候
全上が熱帯気候に属し、年平均気温は北部内陸地方で26℃、南部の臨海地区で28℃と高温である。雨季(5月〜10月)と乾季(11月〜4月)に分かれ、半島部やカンボジアとの国境に近い南東海岸郡では南西モンスーンの影響で年降雨量が3,000mmを超えるところもある。
(7)経 済
農業は米穀を中心とした農産物と天然ゴムなどが主要産品。工業は食品加工、繊維産業、電子・電気産業などが主力で輸出志向型産業育成に力点を置き、工業化が進んでいる。観光の占める地位も高い。
経済は1986年以降、輸出の増加、外国からの投資ブームにより順調な成長を実現してきた。バンコク市内には高層ビルが建設され、都市交通などのインフラの整備も急ピッチで進められていた。
GDP成長率は1994年が8.8%、1995年が8.6%と高成長を維持し、インフレ率は1993年3.3%、1994年5.0、また失業率は1992年3.1%であった。1993年の対外債務は506億ドルであり、1992年1月には付加価値税を導入した。
このような状況から、ごく最近まではタイ国は開発途上国の水準を越えつつあり、自立発展の段階に入っているといわれていた。しかし、1997年以降アジア各国を襲っている深刻な通貨危機にタイ国も陥り、現在国内経済は大幅に減速している。情報化社会における国際金融危機の中で、最近ではタイ国経済が回復に向かうにはかなりの時間がかかると言われている。
(8)質 易
輸出451億ドル(1994)
工業製品72.6%、食料品20.9%、原材料と燃料5.7%、その他0.8%