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ているものもある。装備要領に従うのがよい。取付け方向が決まっていないペデスタルでも、駆動モーターの軸が水平なときは、これがキールラインと平行になるように装備する方が寿命の面からも好ましい。なお、一部の空中線ではマイクロスイッチが、空中線に設けられていない無接点形もあるが、この場合でも平らな一面を船首方向に向けるがよい。〔2・3・1(h)参照〕

ペデスタルはプラットホームへボルト・ナットで固定するが、船の振動で緩むことがしばしばあるので十分締め付け、ダブルナットにしておくとよい。

(4)ペデスタルのケーブルの布設は特に他の機器と異ならないが、必ず水防栓口を使用している点が多少異なる。2ユニットタイプの空中線は、特に無線雑音が多いので、ケーブルの布設には慎重を期すこと。まず、がい装付きケーブルであれば直接、又はケーブルクランプを経由して船体金属部に接地する。がい装付きケーブルであれば他のケーブルと一緒に布設しても余り問題はないが、そのときは、がい装とシールドの接地には十分注意し、完全な工事を行うこと。

がい装のないケーブルの場合(主に小形レーダー)はできる限り他のケーブルと離して布設することが望ましい。この場合でも内部に編組シールド線を持っているので接続端子板の接地端子へ接続する。

水防栓口はケーブル導入口の水防を保つと同時に、ケーブルのがい装を接地する役目もするが、接地に関しては3・6・2を参照して接地工事を行った方がよい。栓口に入れるところでは栓口近くでクランプし、不必要にケーブルを余らさないこと。余分なケーブルがあると長期にわたる船の振動で、ケーブルが疲労し、硬化して切断したり、切断しなくても絶縁層に亀裂を生じ、漏電の原因になったりする。栓口の締付けグランドは、専用の工具を用いて十分締め付ける。終了後油性パテを十分塗り込んでおくこと。詳細は3・6・2(4)参照のこと。

(5)導波管はケーブルと異なり、外部に電波雑音を発生しないので接地は必要ない。ペデスタルの導入口直前で、機械的な無理が掛からないようにクランプをしておく。クランプをしなかったため船の振動で亀裂が生じた例がある。レーダーマストが大きく揺れる場合には、同様に、甲板付近で導波管に亀裂を生じる。このような場合は、フレキシブル導波管を使うこともできる。フレキシブル導波管はマイクロ波伝送損は1m当たり約0.1dBであり、方形導波管とはほぼ同等であるので、必要により交換をする。挿入場所はマストの

 

 

 

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