(2)電気処理
英国で検討実験され、IMOに報告された。
ただし、プランクトンおよびシストは生き残り、また、海水の電気分解で二次汚染の心配があるイオンを生成する可能性があることから、実用的な方法ではないと考えられている。
(3)紫外線処理
英国で検討実験され、IMOに報告された。
殺滅効果は、プランクトンに対しては確認されたが、シストに関しては不明である。 生物学的に未解決問題が多く、一部有効性に疑間があるとされている。
費用は、1,000m3/時間のバラスト水を処理することを想定し、以下の金額が算出されている。
・設備費用
紫外線ユニット3〜4基:約£6〜8万(1,200〜1,800万円)
・効果的な処理のためのフィルター
開口φ300μm(2個以上):£1万(200万円)/個
開口φ25μm(2個以上):£12,500(250万円)/個
・必要電力
10〜20Wh/m3 80,000トンのバラスト水処理に必要な燃料費は、£10〜20(2,000〜4000円)の燃料費が必要
・紫外線ランプ
£300(6万円)/ユニット、約4,000時間(約2年)で取り替え
(4)熱処理
ポーランドが報告した方法である。
方法は、バラスト水をフィルター(100μm)に通した後、エンジン冷却水およびボイラー蒸気を熱源とした熱交換器で70℃に加熱し、有害生物を殺滅するものである。また、一度加熱したバラスト水は予熱の熱源として利用する。
特徴は、薬品等を船舶に積み込む必要がなく、新たなる汚染の心配がない利点がある一方で、フィルター処理過程での大抵抗やパイプ腐食等の問題があるとされている。
(5)戦略的バラスト水研究計画
オーストラリアが実施している研究計画で、リバラスト代替手段個別技術の検討ではなく、効果的なバラスト水管理方策の確立を目的とする総合的な研究である。