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2. 代替手段に関する情報の収集・整理

 

2.1 海外における検討

 

各国のリバラスト代替手段の検討状況は、1996年7月に開催された第38回MEPCバラスト水作業部会において報告されている。

 

(1)無害証明

IOC(Intergovernmental Oceanographic Commission,「国連」政府間海洋学委員会)事務局が、様々な利害関係者から寄せられている希望として紹介した方法である。

船舶バラスト水およびセディメント、あるいは港湾の海水およびセディメントを採取・検査して、有害生物が存在しない場合に無害証明を発給するというものである。

しかし、1996年4月に開催されたICES(International Council for the Exploration of the Sea,国際海洋探査協議会)作業部会WGITMO(Working Group on introductions and Transfers of Marine Organisms,海洋性生物の侵入および伝搬に関する作業部会)会合において、この構想の可能性については、以下の理由により現在のところほとんどあるいはまったく期待できないとされている。

・海域によって有害および無害の認識が異なり、迅速な有害(無害)性判断が困難である。

・バラストタンクが大容量で多くの区面に分かれていることで、サンプル採取アクセスが制限される。バラスト水積載状況でのセディメント採取が困難である。これら理由により、バラスト水サンプル採取が制限される。

・分類学専門家が不足している。 種類の同定に時間がかかる。 分析費用が必要である。 これら時間的,経済的,技術的制限がある。

・各船舶で科学的に厳格かつ正確なサンプリングを実施することが困難などのサンプル採取要件に問題点がある。

・港湾の無害証明のためには、定期的な検査が必要であり、高額な費用が必要である。

 

 

 

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