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表示を著名物標からの方位距離のみでなく、北緯東経によっても行えるようにし、また、商業的機密を保持するため、無線以外の通報方法も確保すべき、との意見があり、それら修正意見を取りいれ、施行は、TSS同様、MSCにおける採択の6ケ月後に実施ということで承認された。

? WG議長より、HSCの隻数が増加していることを踏まえ、COLREG改正の検討の開始が指摘されたが、本小委員会では議題として盛り込まれていないことから、ワークプログラム等に盛り込む旨の要請をMSCに提案することとしたいとの提案があり承認された。

? WIGに関しては、露よりの寄与文書が期限が間に合わなかったとの説明があり、次回NAVで寄与文書を提供し、討議されることとなった。

? 群島航路帯に関する解釈等に関しては次のとおり合意された。

・UNCLOSに基づく群島航路帯も、SOLASに基づく航路指定の一般通則における航路帯の1つであり、ただ性格の異なるものである。

・群島航路帯の規定を、現状の航路帯と別個の新規定として規定する。

・IMOはUNCLOSにおける「Competent Organization」である。

・IHOは、群島航路帯の表記方法について、既存の方法を考慮して検討する。

また、今回の小委員会においてインドネシアは、自国提案の群島航路帯指定提案を承認のうえ、次回MSC69での採択を強く希望していたが、このためには、インドネシア群島基線に関する資料提出の上説明がなされなければならないこと。また、小委員会としては、群島航路帯の最初の指定であることから、慎重に検討したいこと。さらに、航路帯指定に関する様式、標示方法等についても完成させる必要があることを表明し、今回の会期においては、インドネシアが要求されている情報を準備できないことから、同国提案は承認されないこととなった。

(4)SOLAS5章の改正

VDRの設置に関して、国際航海のRoRo船に要求する、3,000総トン以上の国際航海を行う全ての船に要求する、自動浮揚・固定型の決定は主官庁が運航環境を考慮して決める、自動浮揚型についてはEPIRBに取り付ける等、意見が別れたため、各案併記のまま案文を作成し、今後の会合の判断に委ねることとなった。

(5)航行安全設備

? 電子磁気コンパスの目的として、次の3点が確認された。

・ジャイロコンパスを強制されない船舶のレーダー等の方位情報を必要とする

機器に方位情報を提供する。

・磁気コンパスを使用できないようなHSCでコンパスとして使用する。

・IMO性能基準としてClass一B磁気コンパス程度の基準にする。

? AISに関しては、放送式トランスポンダー方式が唯一適切な方式であるとする国と、DSCトランスポンダーでも船対陸においては有益であるとする国があったが、同性能基準として、通報容量が最低2,000Report/minであり、DSC方式ではこれだけの容量が確保できないため、現段階では放送方式が性能基準を

 

 

 

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