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市場撤退は今後も加速するものと見られる。これらの要素が重なって、いくつかのバージ建造所で手持工事が増えている。

1996年中に約1,100隻の乾貨バージの引渡し予定があり、一方1995年には約500隻の内陸水路用バージが建造されていた。1996年には直前2年間を合わせたよりも多数のバージが建造されたといわれる。

タンク・バージの建造受注も順調に伸びた。これは2015年を待たずに一重船殻タンク・バージの代替建造に踏み切ったバージ運航者の発注が増えたためである。

 

?-3 客船、クルーズ船

 

多数の造船所が客船、クルーズ船、ディナー船、ゲーム船等、小型船舶の設計、建造に携わっている。これらの建造計画は、川船上のギャンブルを認めた州法や、「無寄港クルーズ」の米国籍船舶上でギャンブルを行うこと、ギャンブル用機器を搭載することを認めた連邦法に刺激されたものである。

 

?-4 1991毎インターモーダル水陸上輸送効率法(ISTEA)

 

ISTEAの目的は、あらゆる形態の交通手段を対象に、効率的かつ環境的に健全な国内インターモーダル輸送システム(NITS)を開発することであり、この立法により、フェリー業界は近年最大ともいえる、連邦政府の支援を与えられた。

 

?-5 修繕船

 

民間造船所にとって、船舶の保守管理・修繕工事は重要性を増している。メキシコ湾の海底油田掘削事業の増加、外国籍船主の修繕工事発注により、多数のヤードが活況を呈している。この修繕工事集中はメキシコ湾岸地区の熟練労働者不足を招いている。

米国港湾経由の貨物量の規模からして、民間造船所は今後も地の利に恵まれる。過去数年間に、東海岸のヤードで入渠する外国籍船舶が増えてきた。これらの船舶で東海岸の数ヤードの総修繕工事量の約3分の上を占める。5大湖と西海岸でも修繕工事が増加している。

 

?-6 米国政府の役割

 

1936年商船法の改正によりタイトルXI制度が成立した。この制度により、MarAdは米国内または準州所在の造船所に新造船を発注する船主、または設備の近代化を図る造船所所有者に融資保証を与える。さらにこの制度は拡大されて、米国内造船所に新造船を発注する外国船主も融資保証が受けられるようになった。1995年10月以降の18ケ月間にMarAdは23件の申請を承認し、保証状を発給した。

 

 

 

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