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交通に弱いのではなくて、交通機関のほうが弱いわけです。だから移動に困っているということで、移動制約者と呼んでいます。例えば階段の昇り降りができない人は、階段をスロープにすれば移動制約はなくなるわけです。そういう環境との関係で決まってきます。それが移動制約者です。

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階段の昇り降りができない、あるいは公共交通のサービスがない、自動車の運転ができない、こういった人たちを藤沢市でとらえたときに25%もいました。高齢者、障害者でもない人たちが15〜17%もいました。藤沢市は高齢人口がたった7%のところです。三星昭宏先生(近畿大学)による大阪の羽曳野市でも同じような数がアンケート調査によって出てきました。

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先月、EUに藤井直人氏(神奈川県総合リハビリテーションセンター)と一緒に調査に行きましたら移動制約者がどの程度存在するか示してくれました(表-2)。車いす使用者・視覚障害者が3%。高齢者が約15%、子供が7%、妊婦が0.2%、これで25%です。さらに荷物を持っている人、ショッピングカーを引いている人、子供を抱いている人、乳母車の人が5〜15%

 

 

 

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