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この条約の名前も「気候変動枠組み条約」という名前になっております。

それでどうしてこれが起きますかと言いますと、私たちが普段エネルギーを使う、石油、石炭を燃やすことによって、CO2が大気に放出されます。地球を取り巻いている大気の中のCO2だけじゃなくメタンとか亜酸化窒素とかもあるんですけれども、その濃度が増えまして、地球の毛布が厚くなったような感じになるわけです。それで太陽から入ってくるエネルギーが宇宙に放出されにくくなってしまうんですね。その状況が地球温暖化というふうに言われております。

私たちが石炭や石油を大量に使い始めました18世紀末の産業革命以前の大気中の濃度がだいたい270ppmだったと言われていますがそれが現在すでに360ppmぐらいに急激に増えておりまして、今私たちはそれを550ppmでどうにか押さえようじゃないかというようなところで話が進んでおります。

それでは270ppmから360ppmに増えたことによって実際に温暖化が起きているかといことについて環境白書で見てみますと、過去100 年で日本でもだいたい1℃近く上がっているということがいえます。まだこの温度上昇が気候変動によるものかどうかということは詳しく証明できてないんですけれども、他の説明の仕方と比べますと一番温暖化の説明が現状と一致しているということでございます。それでこのまま放っておきますと、来世紀末までに、今から100 年をかけまして温度が平均で2℃、それから海面上昇が50cm〜1m上昇するというふうに言われています。それで100 年間で2℃上がるんだったら、そんなに大したことないんじゃないかというふうに思われるかと思うんですけれども、100 年間で1℃というスピード以下でしか、今まで地球の歴史の中で気候が一方的に暖かくなっていったりとか、寒くなっていったりとかしたことがないのです。

ではそうしますと100 年間で2℃というスピードで温度が変化した場合、どういうことが起きるかというと、一番恐いのが植生への影響ではないかと言われています。つまり、動物はどんどん寒いところへ逃げていくことができますが、植物というのは今までのその気候にあったところに育つ植物が植わっているわけです。そこで、もしも急激に気温が上がっていった場合どうなるかと言

 

 

 

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