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でEUは15%と女性の大臣が言っておられて、 きょうの新聞なんかを見ますと、 何かこの間を取って10%くらいでいけそうだとかいって喜んでいるということですが、 一体それは意味があるのかどうかということですね。 あるいはどれくらい削減が大変なのかという話をまず最初の部分で話をしてみたいと思います。

この運輸部門というのがありますが、 これはよく排出量について議論するときに、 民生それから産業という部門に分けてお話をするわけですけれども、 産業が1973年には65%だったのが50%にまで落ちてきて、 運輸は16%から23%というふうに貢献度が、 ありがたくない貢献度なんですが、 増えてきたわけであります。 その運輸の中でさらに見てみますと、 これはもう圧倒的に、 この部分が運輸なんですが、 自動車が9割近いということでありますので、 CO2を減らすとか、 あるいは大気汚染を減らすといったときに、 何を中心に議論しなくちゃいけないかということは明らかであります。 自動車でございます。

それから、 これをもう少し経年的に見てみますと、 横軸が年代で、 縦軸が1973年を1と考えたときにそれぞれの部門別にCO2の排出がどれくらい増えているかというのを見ますと、 全部門の平均と比べまして、 圧倒的に交通だけが伸びているということがおわかりだろうと思います。 したがって、 交通の責任は大変大きいということになるわけです。

じゃあその原因となる数値を少し見てみますと、 ここにありますように、 左側が旅客であります。 旅客の 109人/km という、 ちょっとけたが途方もない大きな数字ですが、 ここを見ていただきますと、 下から船、 飛行機、 黄色が鉄道、 自動車が赤ということで、 プロットしたのは実績値でありまして、 この薄い線が出ているのは私どもの研究室である推計をした値でありますが、 いずれにしてもこの伸びの率からしますと、 圧倒的に自動車が大きいということがわかります。 それから貨物にしましても 109t/km 、 1トンを何キロ運んだかという単位ですが、 これも自動車が非常に大きい。 ここの少しダウンしているのは、 バブルで極端になったのが少し沈静化しただけですから、 大局的にはこの下がりはあんまり喜んでばかりはいられないわけであります。 量的にそんなに伸びていると同時に、 1単位運ぶのに、 1人の人が1km運ぶのに一体何グラムの炭素、 CO2なんですが、 炭素に換算したときに何グラムかというのをやったのがこれです。 これで見ますと、 鉄道がこの水色で3gくらいしか出さないんですが、 タクシーとか乗用車、 タクシーはちょっと大きいんですけれども、 いずれにしても個別の乗用車というのが非常に負荷が大きいことがわかります。 一方、 貨物輸送についても、 鉄道とか船というのはほとんど軸にへばりついているくらいですが、 このトラック、 特に自家用の小型トラックというものが大変大きなトン当たり負荷を占めているわけです。 これは、 荷物を十分積まずにかなり空気を運んでいるところがあるわけですね。 非常に効率が悪いということです。

それからもう一つ、 これは私どもの研究室で推計をしたものなんですが、 ちょうどいま話題になっております1990年と2010年のCO2の排出量を比べてみましょう。 どれくらい増えるのかというのを、 現在のその旅客、 たとえば通勤の人が鉄道と車にどれくらい乗っているかという傾向が大体外挿されて、 変化が同じような変化をしていくとします。 そう

 

 

 

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