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は仕事に関連した方がほとんどだと思いますので、夜、煙草が切れても、すぐ近くの自動販売機までマイカーを出してということはなさらず、今日くらいは歩いて行かれるのではないでしょうか。誰がどうやって進めて行くのかということになりますと、やはり、まずは行政がリーダーシップを取って進めて頂きたいと思います。

私も一般市民の立場ではありますが、事業を営んでおりますので、そういう意味ではこういう状況の中で、企業は厳しいんですね。厳しい状況の中で、長いスパンで見ればいいんでしょうけれど、手間やお金の掛かることをしても、当面は利益が出ない、面倒臭いというのが本音だろうと思います。では誰が利害調整をしていくのかということですが、私はこれは行政の使命だと思います。そのために私たちは税金を納めているのだということを市民の意見として申し上げたいと思います。

環境問題など連日のようにテレビ、新聞を賑わしていますけれど、それをきちんと伝えて行くというのがマスコミの使命だろうと思います。今回はテレビカメラもきているようですので今晩のニュース、あるいは明日のニュースには「地球温暖化シンポジウムが非常な熱気で盛り上がった」というコピーを是非お願いしたいと思います。これらを“誰が”“どうやって”ということになる訳ですが、具体的なことを申しますと、県庁の方が30〜40分時差出勤されていると言いますけれど、仕事の必然があれば別ですが、ただ単に「30分早く起きて出勤しなさい」と言われても、私だったら嫌ですね。個人の習慣行動を変えるというのは難しいことです。教育研修などの私どもの現場でも言えることですが、たった1つ、電話応対で「○○です」を「○○でございます」にするのも難しいことなんですね。ですから、毎日毎日の習慣行動をほんの少しでも変えるというのは、個人の単位で見た時に意外と難しくて、ではどうやって動機づけをして行くのかということになりますと、私は、これはちょっと工夫をしていただいて、仕掛け作りをする、プラスとマイナスの部分をちょっと付け加える、これはやはり行政にお願いするのが良いと思うのですが、仕掛け作りとその前提条件の整備をしていただいて、そして最終的にある程度の規制はやむを得ないかなという気がしております。

これが私の基本的な考え方でございます。

[松本]:ありがとうございました。私のコメントを入れていくとなかなか時間もかかって、あまり面白くないかと思いますので、取り敢えず他の3名の方、白井さん、佐藤さん、吉井さんという順番で、現在のところの取組み状況やお考えなどを、お話を伺っていきたいと思います。

最初に白井さんお願いします。

[白井]:行政の立場で参加しております白井でございます。いまほど、小林さんの方から行政のリーダーシップないしは使命が一番の課題として指摘されましたが、その点につきましては後ほど触れさせていただくことと致しまして、冒頭、松本先生の基調講演、又私どもの局長のご挨拶でも申し上げましたように、いわゆる、地球温暖化と運輸という関わりで言えば、我が国の経済活動も、日常生活も、車無くしては成り立っていかないところがございます。この辺をまず共通認識として持っておく必要があるかと思います。

日本におきましては現在約7,000万台の車がございます。その中でもCO2のシェアが一番大きい自家用自動車(マイカー)については4,700万台を数えており、これは増加の一途を辿っております。私どもの管内の4県の世帯当り普及率は、長野県の2.35がトップで、これは全国第3位になります。山形県は第5位、新潟県は第10位、秋田県はちょっと落ちますけれども18位ということで、いずれも2台以上の普及率となっています。全国平均が1.58ですので、相当高い数字だということが言えます。

この利便性の高い車というものは、現在の社会に於いて、善悪は別といたしまして欠くことので

 

 

 

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