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運輸部門における地球温暖化対策について

 

[松本]:それでは、ディスカッションを始めさせていただきます。先程も「運輸と地球温暖化」ということについてお話をさせていただきましたし、すぐに入って行きたいと思います。

地球温暖化ということが新聞・テレビ・雑誌等でいま話題になっていますが、現実問題として個々の日常生活の中でそれを捉えるということはなかなか難しいような気がします。車、あるいは運輸という分野において、車の利用の仕方について実際に自分で行動するかどうか、どういうふうに意識を持つか、なかなか見えにくい訳です。

もう一つ環境問題としてゴミ問題、特に日常的な家庭廃棄物の問題がありますが、ゴミ問題の場合は、自分がそれなりに実践すればしただけの効果があるように思うのですが、交通問題の場合は、自分が仮に車の使用を控えたことによって渋滞が多少緩和されたとしても、そこへ今まで乗ってなかった人が乗り入れるようになるということが考えられ、効果がハッキリ見えにくいという面があるかと思います。

そんなことを取っ掛かりにしまして、まず日頃の、日常的な生活・仕事の中での実態・現状というようなことからまずお話しして頂きたいと思っております。

レディファーストということもございますし、小林さんはこの4人の中でも一番自由な立場でいらっしゃいますので、自由に、気楽に日常生活のことからお話し頂けたらと思います。

[小林]:株式会社WITの小林でございます。WITと申しましても、どういう会社なんだ、ということがあると思いますが、市内にあります人材派遣のコンサルティング会社でございます。

何故私のところにこのパネラーの役目が廻ってきたかと申しますと、担当の方に言わせますと、いい頃加減の歳で、車の免許を持っていないということが資格要件だったようです。私の年代で免許を持っていないというのは非常に珍しいと思います。一説によると免許は、人間の資格だとまでおっしゃる方もいらっしゃいます。ですから、免許を持っていないため、実際仕事の関係では交通費を頂くということもありますので、ほとんど100パーセントの公共交通を利用している者でございます。それと、いま松本先生がおっしゃいましたように、やはり壇上にお座りになっている方は、多かれ少なかれ組織を背負っている方で、なかなか言えないこともあるというお立場だと思いますが、そういう意味では私は比較的自由にお話しさせていただけるかなと思います。

普段私は素人の立場でマスコミなどの情報を受ける立場ですが、まず今回のこの会場は女性の方が少ないですね。先ほど休憩時間に慌ててトイレに走ったのですが、女性のトイレは空いてまして、一緒にいらした方に「どちらですか?」と聞いたら「JRです」とおっしゃるんです。「自主的ですか?」とお聞きすると「いえ、仕事です」ということで、大体この辺のところが一般の方の意識なのかなという気がいたします。

9月の末でしたでしょうか、新聞で総理府の世論調査だったと思いますが、一般の国民で温暖化の危機感を感じているのは8割、しかし家計への負担は困るというのが3割という報道がされていました。これは妥当な数字かなという感じがいたします。

環境問題の場合で言いますと、ゴミ問題というのは松本先生からもお話しがありましたけれども、皆が関わっていてどこかに責任がある筈なのですが、皆に責任があるということは、イコール誰にも責任が無いということになり、では誰がどうやってやるか、ということがありますね。ですから、市民の意識の啓発がまず一番だと思います。今日

 

 

 

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