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としても是非導入したいということで、平成6年度から導入に踏み切った訳でございます。

当初、色んな心配をしておりましたが、導入後は何とか大きなトラブルも無く、現在も順調に運行を続けているというのが実態でございます。しかし、先程申し上げましたように、バッテリーですので、毎日「充電」ということが出てまいります。燃料補給と同じことですが、バッテリーの充電とバッテリーの交換をしなければなりません。いま写っているのがバッテリーの充電をしているところで、これが1セットで重さが約700kgあります。あれが25個ある訳で、導入当初は上高地を3往復する度に1回バッテリーを交換せよということでした。1日大体15往復くらいするものですから、1日に2回くらいバッテリー交換をする訳です。そのための要員の配置等、非常に資金と労力を費やすことになってしまいました。更に車両価格も通常の一般の路線バスに比べて約1,000万くらいコスト高になり、いまのような要員のイニシャル・コストやランニング・コスト等を考えますと、非常に高額な投資で、このコストをどう消化して行くかということが、いまでも大きな課題でございます。

しかし、このハイブリッドバスも、メーカーさんには非常に努力を続けていただいておりまして、年々向上しており、特に平成8年度以降の車は、エンジンにターボチャージャーが付き、馬力はいま240馬力で、従来より格段に改良が進んでまいりました。バッテリー交換も平成8年からはしなくても良くなり、充電だけをするという形で、大分改善されてまいりました。

このような低公害車を運行している状況について、導入当初、新潟運輸局長(当時は南戸局長さんでしたが)がご視察に見えたり、環境庁長官(当時宮下大臣)にも、この低公害車に乗っていただいて、実際にご視察をいただいたという経緯がございます。

低公害車というのは、大変響きは良いのですが、維持管理等、実際には色々大変なことがあり、当時その辺もいろいろご理解いただき、導入については、色々な意味でご配慮をいただきました。低公害車を導入しているということについては、一般のお客さまからも非常に好評で、上高地には中学生、高校生の修学旅行の皆さんも訪れる訳ですが、大型バスで来て乗り換えをされる時、最近では是非この低公害車で上高地へ行きたいという希望も出て来て、大変ありがたいことだと思っております。

いま出ておりますこの写真は、来年は長野オリンピックがございますが、今年の正月にはワールドカップがあり、その輸送をしているところです。国際的にも世界から色々なメディアが集まってくるものですから、オリンピックの時はもう少し台数を増やして30数台の体制で、メディアを中心とした輸送をするようにということで、オリンピック組織委員会の方からご指導をいただいておりますので、これを中心に使わせていただくという予定でございます。

だいたい、低公害車の関係についての説明は以上でございますが、今後とも自然保護という観点から、松本先生の温暖化というお話とも相まって、やはり取組みをする場合にはどうしてもコスト増の問題とか色々な諸問題がありますが、その上つ1つを解決しながら前へ進んで行きたいという考えでおります。その上私どもはこの“低公害”を更に一歩進めて“無公害”ということに早くたどり着きたいということで頑張っているところでございます。

今後とも関係ご当局等といろいろご相談をさせていただきながら、更にまい進をさせていただきたいと考えているところでございます。

簡単で、説明になったかどうか分かりませんが、一応上高地の交通規制とハイブリッドバスの導入ということについての報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

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