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トル滑走路があり、日本航空はここに大型航空機で臨時便を乗り入れる、という形態をとっております。

その次のサイズのボーイング757、それから767、このクラスでは、私どもが昨年6月に調査した時点では3ヶ所、具体的にはウルムチ、ホータン、カシュガルに乗り入れ可能です。

それから、さらに小さいボーイング737がございますが、このクラスですとイーニンというところに乗り入れが可能です。

それよりも小さい航空機が乗り入れるところとしてはアクス、アルタイ、フユン、カラマイ、コルラ、クチャ、チェルチェン、チュチャックという空港がございます。先ほど来よく出ております町、コルラとクチャを結ぶルートを飛行する場合は、737より小振りな飛行機を使わざるを得ないということかと思います。

2点目としては乗り入れ可能な空港があることに加えて、当該国がその空港を国際空港として登録していることが条件になります。つまり空域を外国向けに開放しているかどうかということです。

新疆ウイグル地区に関しますと、ウルムチは国際空港としての登録がなされており、現に中国新疆航空でウルムチ ― イスラマバード、ウルムチータシュケント等の国際航空便が運航されております。

空域の問題に関して、もし私ども日本航空がウルムチに直接乗り入れることを中国政府の了解を得た場合でも、中国のそういう空域が外国に開放されておりませんので、中国人ナビゲーターが飛行機に同乗することが必要になります。ナビゲーターは中国居住者ですから、日本航空の東京ないし大阪を出た飛行機はウルムチに直行することができず、上海とか北京でテクニカルランディング(技術着陸)をして、ナビゲーターに乗ってもらいウルムチまで飛ぶ ― つまり直行できるにもかかわらず、わざわざ途中で着陸するという、非常に非効率なことになります。

これはお客様にとっては飛行時間が増え、コストが高くつくということです。観光関係者の皆様はこういうことに前向きでご理解ご協力いただきやすいのですが、実は航空の運航に携わる政府関係機関の支援がどうしても必要だということがおわかりいただけたと思います。

中国の航空機は中国人のナビゲーターを乗せることが容易ですし、中国企業にとっては空域が開放されていますから、757とか767クラスの直行便は需要があれば運航が開始できるということでございます。

日本航空を含む外国機に関しましてはそういう制約がございますので、そういう制限がなくなった時点で、私どもの運航ができるということになると思います。

経済合理性につきましては、一気に需要が増えるわけではありませんから、その辺は工夫、努力が必要かと思います。私どもの例で申しますと、トルコ航空との間で日本 ― イスタンブールの共同運航しているとか、あるいはエアフランスとの間でイスタンブール ― パリ間を共同運航しているとか、日本とヨハネスブルク間を南アフリカ航空との間で共同運行しているという例がございますので、条件を満たせば、そういう共同運航方式で直行便を実現していくという方策も可能と思います。

以上、私のプレゼンテーションを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

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