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かと思います。

調査団でもこの話題がしばしば取り上げられ、清潔な水洗トイレがあればいいのだがなという議論を何度もいたしましたけれども、一方砂漠地帯における水の貴重さを考えますと、確か今の水洗トイレは1回使うとバケツ1杯程度の水が必要かと思いますが、快適性のためにその都度貴重な水を使用するということの意味を考えると、思わず口をつんぐでしまうという状況でした。

帰国後いろいろ考えてみましたが、ちょっと皆様方のご参考になるのかなど思い、少し脱線いたしますけれども、その辺に触れてみたいと思います。

飛行機も、高いところを重たいままで飛ぶという関係上、非常に条件や制約の多い場所でございまして、そこでトイレをどうするかというのは頭の痛いところです。先ほど申し上げましたように1回使用する毎にバケツ1杯の水が必要ですから、もともと重たい上にさらに重くなる。これを避けるため、これまでは循環式で処理してきましたが、結果として臭いとか衛生面での問題が避けられず、その点で砂漠や水の乏しい地域と同じ悩みを抱えておりました。

しかし最新鋭型のB747'-400という航空機では、その辺に抜本的な改善が図られております。

皆さんがもし日本で新幹線にお乗りになりますと新型車両と古いタイプの車両とが混じって走っておりますが、この新型にも同様なシステムが取り入れられております。これが気圧差を利用したバキューム式トイレです。従来型に比べて臭いがなく、清潔さや水消費量の少なさが売り物です。1使用時に使う水の量は、ちょうどこのコップ1杯分、これだけで1回のトイレ使用がカバーされるようになっています。つまり、今までバケツ1杯必要だったのが、新しいテクノロジーでコップ1杯で処理できるようになったというわけです。

もちろんトイレ使用当初タンク内にもある程度必要ですし、フライト終了時トイレそのものを洗浄するためにも必要ですから、コップ1杯では足りないわけですが、私どもの専門家に計算してもらったところ、あらゆる水の使用量を使用回数で割ると、たまたまここにありますこのミニペットボトル1本分、これだけで新型飛行機、新型新幹線車両の場合、用が足りているということのようでございます。

アカデミックなミーティングに毛色の違った話で、皆さん戸惑われているかと思いますが、私どもの経験が少しお役に立てればと思います。

本題に戻りますと、日本と新疆ウイグル地区、これを皆様方の現在直行便の飛んでいないそれぞれの都市や地域に読み変えていただいていいかと思いますが、そういうところに直行便を飛ばすための条件として経済合理性に加え、ほかにも重要な点がいくつかございます。

第1に現在世界各国で使用されている大型航空機が乗り入れるのに空港の能力がマッチしているかどうかです。新疆ウイグル地区に関しては、残念ながら私ども日本航空の主力機であるボーイング747、ジャンボと称されている航空機が乗り入れできる空港はございません。西安の空港に3千メー

 

 

 

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