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いた。1882年に新疆省を成立し、南疆の軍事、政治の拠点とした。この頃、ロシアと英国の勢力もおよび、各々が領事館を設けた。そのロシア領事館の建物(1890年建立)は、現在、色満ホテルの敷地内にあり貴賓室、レストラン、会議室などの施設として使用されている。中華人民共和国成立後、1952年に市制が布かれた。

1) 三仙洞

カシュガル市の西北約18?、チャクマク河南岸の断崖に3つ並んで開削された洞窟。この地域における唯一の早期仏教洞窟遺跡とされている。中には壁画が描かれているが、縦約2m、巾約1mの長方形の洞口の外観を見上げることしか出来ない。石窟は、前後2部屋に分かれている。

2) モアールフータ(莫爾仏塔)

カシュガル市の東北約30km、南側にチャクマク河の千河道を隔ててハンノイ故城と相望む位置にある。遺跡の主要なものは東南側にある仏塔で、下部は3層の方座になっており、最下層は1辺14〜5m、一つ上の層は約2mずつ短い。上部に高さ15〜6mの円形卵状の塔がある。もう一つの遺跡は底部の1辺が約25メートルの高台で、仏寺の中心建築とされる。

3) カシュガル博物館

数多くの出土品を収蔵しているものの、管理者の知識も十分でなく、陳列等も満足のいく状態ではない。しかし内容的には価値あるものが含まれている。

4) ホージャ(和卓)墳・香妃の墓

17〜8世紀頃、カシュガルの宗教、政治の実権を握っていたホージャ家一族の墓で、ブルータイルを使った直径17mのドームを載せるイスラム様式の建物の中に、1族5代72人の墓がある。陵墓内に「香妃の棺」が置かれている。香妃は、26歳の時に清朝の乾隆帝に召され、宮廷にいること28年間、1788年に亡くなり、河北省にある清東陵に葬られている。馥郁(ふくいく)とした砂棗(すななつめ)の花の香りがするので「香妃」と呼ばれた。ウィグル伝説では、遺体は124人の従者により三年半かかってカシュガルに運ばれたと伝えられる。

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6) 職人街

エイテイガール寺院の正門の左手を入ると、そこが職人街。鞄、靴、帽子、銀製品、アクセサリー、洋服、楽器、木工細工などの工房と店が並ぶ。

7) バザール

エイテイガール寺院前の解放路と他にバザールがある。日曜日は、ロバや羊などの動物も売り物になる日曜バザールが開かれる。(参照:P-35)

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