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ミンダナオ島に世界的なリゾート地ができれば、大きな会議や一流の会議施設の場所としてのこの地域の魅力は増すであろうと予想されています。第一級のリゾート地としての地位を築けば、クルーズ船の拠点となることも可能です。サンボアンガ市にクルーズ船のターミナルを建設すれば、ミンダナオと、EAGAクルーズ旅行パッケージに含まれるEAGAの他の港とを効率よく結ぶことができるでしょう。

ダバオ市から約700m沖合にあるサマル諸島も、現在開発中の観光地です。この島の総面積は28,000ヘクタールで、山岳地帯、丘陵、素晴らしい白砂のビーチ、息をのむ断崖などがあります。20ヶ所がリゾート開発の場所として確認されており、そのうちサマル島が13ヶ所、タリキド島が7ヶ所です。

 

ミンダナオのためのプロモーション支援

BIMP-EAGAを支援し、フィリピン南部の海外および国内の観光事業活動に弾みをつけるために、国内プロモーション活動のコンセプトが次のようにまとめられました。

異国情緒溢れるミンダナオ島については、この地域の異国情緒の魅力、膨大な天然資源、澄んだ水と手づかずのビーチ、多彩な祭り、魅力的な芸術と文化、エキゾチックな果物や食べ物、それに民族色豊かな商品の買い物ができることをアピールする三大メディアキャンペーンを展開します。

このプロジェクトは、ムスリム国際貿易・観光・投資会議(MITTIC)の不可欠な条件であり、極東の新しい投資のメッカとして平和と開発を目指す特別地帯(SZOPAD)の門戸を開放するためのものです。

 

ケーススタディー

―友達を連れてこようプロジェクト

友達を連れてこよう(BHAF)は、観光省大臣であるミナ・T・ガボールの考案です。フィリピン国民が海外の友人や親戚、ビジネス仲間にフィリピンに観光にくるように誘うよう奨励することにより、観光客の数を増やすことを目的とした3ヶ年計画がスタートしました。これは、フィリピン国民のすぐれたホスピタリティー豊かな国民性を浮き彫りにするものであります。

このプロジェクトに魅力を感じてくれた、アメリカン・エクスプレス・インターナショナルや国営電話会社、それに民間部門の観光・旅行業界から支援があり、貿易・輸出業界、現在では宗教関係者などからも支援を受け、この計画の主なスポンサーは、これまでになく多く、50を超えました。

今年のBHAFは、フィリピンヘの観光客の数を1997年には少なくとも230万人までに増やすという観光省の最重要計画に沿って、観光客からの相当な収入増をもたらし、特に観光部門でフィリピン人の雇用の機会を増やすことを狙っています。

昨年、この計画により、17億8000万ペソ相当の観光事業収入がありましたが、これはこの3ヶ年計画全体の推定目標額である11億ペソを上回っています。このため、この計画は、1998年12月までさらに2年間延長されました。

この計画をカナダが模倣し、「みんなで友達を来させよう」と称するカナダ版キャンペーンが最近開始されました。計画が成功している兆しがあるからこそ、キャンペーンが模倣されるのです。バルバドス観光局、ニュージーランド航空、フィルコムなどの事業体も、この計画に興味を示しています。この計画について、香港、米国、オーストラリア、日本、ドイツ、フランス、ベルギーといった国々が情報提供を求めてきました。

 

最後に

これまで述べてきたことは、この5年間にフィリピンが実現してきたことを持続させるために、フィリピン観光省が取ってきたプロモーション&マーケティング戦略の一部です。これからも、我々は国際観光をマーケティングするために国内観光の質の向上を目指してしてゆくつもりです。

 

 

 

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