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り橋」への遊歩道脇崖下

2 活動時間の経過等

(1) 出 場  13時34分

(2) 現場到着 13時55分

(3) 救出開始 13時56分

(4) 活動終了 14時53分

3  出場状況

救急車 1隊3人(塩原分署)

梯子車 1隊3人(塩原分署)

救助工作車 1隊4人(消防署)

消防車(タンク車)1隊4人(塩原分署)

4 事故の概要

負傷した男性は、友人数名と回顧つり橋へ向かう途中、遊歩道が階段になっている為、杖代わりに木の枝を取ろうと手すりをまたいだところ、バランスを崩し20m滑落し負傷したもの。

5 救助活動状況

13時18分専用電話により塩原分署で覚知、救急隊1隊が出場。現場到着後救急隊から消防署へ出場要請があり、消防隊と救助隊が13時34分に出場する。

現場は岩盤で、落ち葉等が堆積し滑りやすく不安定な場所で、約60度の傾斜が50m程続き、その下は塩原ダムとなっている。要救助者は20m滑落し、立ち木をまたぐ様に引っ掛かった状態であった。滑落現場周辺は石等が露出しており、要救助者の上部からの救出は、急斜面であり、さらに落石等による二次災害の恐れが充分予測される為、う回しながら現場へ向かうことになった。

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隊員10人は資機材を携行し、遊歩道を100m程う回する。途中、起伏が非常に激しい所があり深さ8mの谷を2箇所越え、更にダムの縁に沿って50m程下がり、負傷者の30m真下から隊員六人が崖を這うようにして登り、要救助者脇にやっとたどり着いた。

負傷者を観察すると意識は清明であったが全身打撲及び左足を骨折していた。隊員は負傷者の上部の立ち木を利用し自己確保を取り、骨折している左足をギブスで固定し、引き上げた船型担架に縛着収容。立ち木を支点とし救出ロープ・確保ロープを設定し、ダムの縁まで30m下ろし、進入した経路とは逆の順路で搬送した。途中ダムの縁の道幅は約1mと狭く、4人での担架搬送は困難を極めた。更に途中2箇所の谷越えにも幾度か救出ロープを設定し直しながらの活動で、足場の悪い所を延長70mにわたる搬送の為、隊員も交代しながらやっと救出し、救急隊に引き渡し救出を完了した。

おわりに

当消防本部は山岳地区が多く、今回の様な転落事故は年間数件発生しており、他隊との連携活動訓練を強化し、今後益々複雑多様化する救助事象が予測されることから、的確な活動が行えるよう万全を期したい。

なお、栃木県においても平成9年4月1日より消防防災ヘリコプターの運航が開始され、今後の活躍が期待される。 (宮本 憲治)

 

予防・広報

安全な地域づくりは幅広い防火広報から

最上広域市町村圏事務組合消防本部(山形)

 

はじめに

当本部は、山形県の北東部に位置し、新庄市を中心に金山町・最上町・船形町・真室川町・大蔵村・鮭川村・戸沢村の1市4町3村で構成され、人口は約10万人。面積は1,803k?uで県全体の19.3%を占めている。

当地方の平均積雪量は143cm(新庄市)にも達する東北でも有数の豪雪地帯である。

当本部を取り囲む出羽丘陵や奥羽山脈は、磐梯朝日国立公園や栗駒固定公園に指定され、四季の彩り豊かな美しい自然に恵まれている。西南部を流れる最上川は、俳人松尾芭蕉によって「五月雨をあつめて早し最上川」と詠われ、最上川舟下りの地として有名である。

また、当本部のすべてが江戸時代、戸沢藩6万7千石の所領であったため、″新庄まつり″(東北屈指の山車まつり)に代表されるよう

 

 

 

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