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れ、峡北地域の大きな観光産業ともなっている。

首都圏からも中央自動車道開通以来日帰り圏となり、経済活動も飛躍的に伸長しているところである。この中央自動車道には管内に4箇所のI・Cが所在し、高速道における救急活動等に万全を期している。

当本部は、1本部・2署・3分署・1分遣所と、夏期7・8月の2箇月間道路が輻輳することから、清里地区に救急分駐所を開設して地域の要望に応えながら、上野消防長以下106人で地域防災の防人として、また全職員が予防広報マンとして努力を傾けているところである。

 

1 火災予防は婦人・幼年の手で

火災予防は日頃特に火を取り扱う機会の多い婦人を対象に、婦人消防隊(防火クラブ)の結成を推進し、1市町村1団体の結成を目標に現在新たに3隊の設置が報告され、これらの隊(クラブ)は日頃の火の元点検を始め、地域に密着した地道な活動の中から地域を守るため軽可搬ポンプ操法の外、色々な訓練が各隊(クラブ)毎に推進されている。

一方、幼稚園・保育園(所)においては、当本部でも特に力を入れてその指導育成に努めているところであり、現在公立保育園(所)の全てに幼年消防クラブの設立を完了し、私立についても残り数園だけとなってきている。

この幼年消防クラブについては、園の各種事業には先生を初め全園児が法被を着用している。また、春・秋の火災予防運動期間中には通園時においても法被を着用するよう依頼し、「動く火災予防広告塔」として地域の大人に向けて予防運動の大きな一翼を担って活動している。

当地区防火委員会も、毎年独自に火災予防にかかる物件の交付をして積極的な育成をして、未来につながる長期的な火災予防思想の普及啓発活動を実施している。

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2 防火ポスター・防火標語の募集

毎年春の火災予防運動期間に合わせて、地区防火委員会主催による管内幼年消防クラブ員による防火ポスターの募集と、少年消防クラブ員による防火標語の募集を行ない、審査のうえ入賞者の表彰式を火災予防運動期間中に実施している。なお、入賞作品については消防本部内の広報掲示板に1年間掲示し、来庁者に対し長い間広報作品として防火意識の高揚に大いに役立っている。

その他管内の旅館組合、ペンション組合、学校寮の集中する清里地区における管理人組織、あるいは地域の自主防災組織のリーダー研修、又は同業種毎の初期消火合同訓練等を実施する中で、万一の災害時には隣近所を知っている人と人とのつながりで助け合うことを認識していただくよう取り組んでいるところである。

 

3 各種団体との協力による広報活動

秋の火災予防運動期間においては、管内構成市町村の10消防団と消防本部合同で、管内の主要道路を1日かけて広報車及び消防自動車でのパレードにより広報活動を行ない、各市町村役場においては、市町村長から心温かい激励の言葉等をいただいて啓蒙活動を実施している。

 

おわりに

管内においては、甲府市のベットタウンとして大規模な分譲団地や中核工業団地の建設により都市化が進む一方、高齢化も一段とその速度を増していることと併せて住民の考え方も多種多様、生活様式も多様化と進む中で、一層火災予防を各種団体と協力しながら災害に強い人づくり・街づくりをめざして、 100余名の職員全員が広報マンとして真剣に取り組み、地域住民92,000余の消防に寄せる期待と信頼に、いついかなる時も応えられる消防であるべく努力しているところである。 (高橋 勝彦)

 

 

 

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