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平成8年中も7,164件であり、前年に比べ193件(2.8%)増加しています。

次に、出入件数を四季別にみますと冬季と春李(1月〜5月、12月)で総出火件故の60.3%(前年56.8%)を占めています。

 

2 火災の発生状況

火災の発生状況を比較する場合に、出火率(人口1万人あたりの出火件数)を用いていますが、平成8年は、全国平均で5.1と前年と比べ0.1ポイント増加となっており、また、10年前の昭和62年と比べても0.3ポイント減少となっております。

なお、都道府県別にみますと、最高は山梨県の7.8、高知県・鹿児島県の7.0、最低は富山県の2.4、次いで京都府の3.1となっています。

 

3 火災による損害の状況

平成8年中の火災による損害額は1,713億円であり、前年に比べ225億円減少しており、その1件当たりの損害額は、267万円(前年308万円)と前年より41万円少なくなっています。

 

4 火災による死者の状況

(1)死者の状況

平成8年中の火災による死者は、1,978人であり、前年に比べ378人(16.0%)減少しています。また、放火自殺者を除いた死者は1,267人であり、前年に比べ553人減少しています。

なお、放火自殺者は前年に比べ175人増加して711人となっており、全死者に占める割合は、35.9%となっております。

(2)高齢者、乳幼児等の犠牲者

火災により犠牲になったものは、例年、自力で避難できない、乳幼児や、寝たきりなど体の不自由な高齢者が多く、平成8年中の放火自殺者を除く死者についてみますと、65歳以上の高齢者が657人、5歳以下の乳幼児が64人となっており、両年齢層をあわせますと放火自殺者を除く死者全体の56.9%を占めています。また、病気・身体不自由によって逃げ遅れたことによる死者は194人です。

(3)負傷者の状況

火災による負傷者は8,044人であり、前年に比べ765人(10.5%)増加しております。

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5 出火原因

総出火件数64,066件のうち、失火による火災が、42,704件(全火災の66.7%)で、火災の大半は火気の取り扱いの不注意や不始末から発生しています。また、放火及び放火の疑いは12,110件(全火災の18.9%)であり、前年に比べ805件増加し、平成4年以降連続して1万件を超えています。

(1)「たばこ」による火災が第1位

たばこによる火災は7,121件であり、前年に比べて55件(0.8%)減少し、全火災の11.1%を占めています。

たばこによる火災の主な経過別出火件数をみますと、投げ捨てによるものが約6割を占め、次いで火源の転倒・落下、消し忘れの順となっています。

たばこによる火災の損害額は前年に比べ2億8,715万円増加しており、火災1件当たりでは約6万円増加しています。

(2)「放火」及び「放火の疑い」による火災の合計は増加

放火による出火件数は6,732件であり、前年に比べ563件(9.1%)増加しています。放火の疑いによるものは5,378件であり、前年に比べ242件(4.7%)増加しています。放火及び放火の疑いを合わせますと、1万2,110件(全火災の18.9%)であり、前年に比べ805件(7.1%)増加し、平成4年以降連続して1万件を超えています。

放火による損害額は106億1,651万円であり、前年に比べ19億5,399万円(15.5%)減少しています。放火の疑いによる損害額は89億7,167万円で、前年より20億9,754万円(18.9%)減少しています。この結果、放火と放火の疑いとを合わせた損害額は195億8,818万円で、前年に比べ40億5,153万円(17.1%)減少し、火災1件当たりの損害額は前年より約47万円減少し約162万円となっています。

次に、これらの火災を発火源別にみますと、ライターによるものが4,188件と最も多く、次いで、マッチによるもの、その他のたばことマッチによるものの順になっています。

また、放火及び放火の疑いがあった時間帯を

 

 

 

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