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油を処理する方法である。

排出油の処理は、基本的には、機械的回収、物理的回収等の各回収方法によって排出油そのものを回収することが望ましいことであるが、排出油が広範囲にわたって拡散し、油層厚がうすくなる等その状況によっては、これにより難い場合があり、このような場合には、排出油による災害の発生及び拡大の防止のために必要な限度において、油処理剤を使用した化学的処理を行うものとする。なお、油処理剤は型式承認品等技術上の基準に適合するものでなければ使用してはならず、使用の際は特に次の点に留意するものとする。

? 次のいずれかに該当する場合を除き、使用してはならない。

イ 火災発生等による人命の危険または財産への重大な損害が発生し、又は発生するおそれがあるとき。

ロ 他の方法による処理が困難な場合であって、油処理剤により、又は油処理剤を併用して処理した方が海洋環境に与える影響が少ないと認められるとき。

? 次のいずれかに該当する場合には、?ロに該当する場合で合っても、油処理剤を使用してはならない。

イ 排出油が、軽質油(灯油、軽油など)、動物油又は植物油であるとき。

ロ 排出油が、タール状又は油塊となっているとき。

ハ 排出油が、水産資源の生育環境に重大な影響があるとされた海域にあるとき。

? 油処理剤を使用する場合には、次の事項に留意しなければならない。

イ 原則として散布器を使用すること。

ロ 散布量に注意し、特に過度の散布にならないこと。

ハ 散布後は直ちにかくはんを行うこと。

ニ できる限り風上から散布し、特に風が強い場合には、油面の近くで散布する等により、油処理剤の散逸を防ぐこと。 

ホ 散布作業員は、顔面その他皮膚の露出を避けること。

? 油処理剤の使用に当たっては、排出油をサンプリングし、乳化効果を確認すること。

? 油処理剤の使用に当たっては、各地域ごとに関係地方公共団体、関係漁業者等と事前に協議し合意に達しておく必要がある。

 

 

 

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