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あとがき

  

本調査研究は油防除資機材の性能評価を行い、油防除作業の際に有効な情報を取りまとめたマニュアルを作成することを目的としており、本年度は3か年計画の初年度である。

本年度は、型式承認されている油吸着材の高粘度油に対する吸油性能調査、当センターが所有する訓練水槽の特性調査、訓練水槽を使用しての油回収装置実機の予備試験、油処理剤等の高粘度油に対する性能調査、航空機散布用油処理剤の性能調査及び欧州における油防除資機材の現状調査を実施した。

タンカー「ナホトカ」号C重油流出事故は、我が国に未曾有の油汚染被害をもたらし、さらに、タンカー「ダイヤモンドグレース」号原油流出事故では人口が集中している都市を周辺に多数抱えた東京湾という重要な海域で、大量の原油が流出するという過去に例をみない事故となった。これらの事故を通して各種油防除資機材の問題点が各方面から指摘されるとともに、防除資機材の性能等について関心が高まっている現在、この事業に寄せられる期待は益々大きいものと感じられる。

このため、次年度においてはこれらの問題点を踏まえ、マニュアルの作成に向けて一層努力する予定である。

なお、本調査研究は、「油防除資機材性能評価調査研究専門委員会(委員長;長澤 準元運輸省船舶技術研究所所長)」のリーダーシップのもとに行われたもので、審議いただいた委員各位及び関係官庁、また財政的支援をいただいた日本財団、さらに、資材を提供していただいたメーカー各社に深く謝意を表する次第である。

 

 

 

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