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の新しい感染者はほとんどなく,増えてきているのは異性間性行為によるAIDS患者およびHIV感染者です。それで日本人の男性の感染者が年々増えてきているわけです。また,女性も少しずつ増えています。

 

2.AIDSとはどういう病気か?

AIDSというのはどういう病気かというと,AIDSウイルス即ち,HIV:Human Immunodeficiency Virusによって起こる病気で,身体の免疫反応に必要なCD4リンパ球が徐々に破壊され,減少するために免疫力がかなり低下した状態です。そのために,さまざまな日和見感染症を合併したり,悪性腫瘍を合併して致命的になるという病気です。

 

3.HIV感染症の分類とAIDSの症例定義

HIV感染症の分類とAIDSの定義は表7,8,9にある通りです。二つの見方があって,一つはCD4リンパ球数で分類する見方です(表7)。CD4リンパ球は正常の人では1ul当たり500以上あります。それがHIVウイルスの感染が進展して病気が進むと減ってくるわけです。200未満になると,米国疾病対策センター(CDC)の定義では症状がなくてもAIDSに含めています。

第二に,臨床症候によって分類する見方です。

HIV感染の段階によって,さまざまな症状が起こってきます(表3)。HIVに感染して2週から4週してインフルエンザ様症状を起こした例が,カテゴリAに入ります。あるいはHIV感染で全身性のリンパ節腫大が起こることがありますが,これもカテゴリAです。まったく無症状の人もカテゴリAです。

カテゴリΒというのは,AIDSの典型的な合併症ではないけれども,免疫が中等度低下した段階としてのさまざまな合併症が入ります。

 

 

 

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