プレジャーボート等の海難発生状況について
第四管区海上保安本部 航行安全課
1.海難の発生状況
平成8年の要救助船舶(救助を必要とする海難に遭遇した船舶)は、全国で85隻、四管では72隻であり、このうちモーターボート、ヨット、遊漁船などのプレジャーボート等の海難は、全国で673隻、四管では29隻でした。
これら要救助海難に伴う死亡・行方不明者は、全国で213人、四管では6人でした。このうちプレジャーボート等については、全国で40人となっており、四管での6人はすべてプレジャーボート等によるものです。
プレジャーボート等の海難の占める割合は、全国では約36%あり漁船(38%)に次いで第2位となっていますが、四管では約40%を占め、船舶用途別で第1位となっています。
この傾向は、昭和61年から続いており、海洋レジャーの盛んな当管区の特徴となっています。
四管におけるプレジャーボート等の海難について、船型別にみますと
等、人為的な要因によるものが18隻であり、全体の62%を占めています。また、部署別でみますと、鳥羽10隻、衣浦9隻、尾鷲4隻、名古屋、四日市及び蒲郡がそれぞれ2隻となっています。
2.事故事例
平成8年度における幾つかの事故事例を紹介します。
〔事例1〕行方不明・転覆
5月5日、カヌー10艇に12名が乗船し三重県贄浦漁港から奈屋浦漁港へ向かっていたところ、風が強なってきたことから、奈屋浦行きを諦め、全員反転し出発地へ戻る途中の一六:三〇頃、グループの1隻が風に流され助けを求めたので、こに気づいたもう1隻が救助に向かたものの、その後2隻(乗船者計2名)とも行方不明になったもの。
翌日、転覆したカヌー1隻と、船の乗船者2名が溺死体で発見された。
・主たる海難の原因 気象、海象不注意