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きます。一次ではビセットされ1回目は2月18日、2回目は2月22日。悪戦苦闘する我々に対する自然からの饗応と感謝しました。

ペンギンは本当に可愛い友達です。第一次の時、氷海に入って間もなくパックの上に1〜2羽、「あざらし」もあちこちでドテーンと寝っころがって、「何処から来た活き物かな」と怖がる様子もなく眺め眺められていました。それが、1月24日定着氷に接岸するや、来るわ来るわ、何処から沸いたかと思う程一列縦隊でお行儀よく、先頭にリーダーらしきペンギン。必ず4〜5m位前を進み、氷の丘、雪の吹き溜まりなどを越える時は、必ず後を止めて前方を確認し、異常なしと判断すれば自分も進み、列にも付いてくる様に合図します。「宗谷」のすぐ傍、樺太犬のすぐ傍迄来て、立ったままジッと飽きもせずに、何時間でも眺めています「なんだろう」「誰だろう」。疲れると?腹ばいの形で寝ます。この場合 全員が寝て終う様なことはなく必ず2〜3羽は立った儘見張りをしています。大体一つのグループで15〜20羽位で、2〜3日見物(見学)すると何処えともなく来た時と同じ様に、引率され並んで帰って行きます。種類はアデリーとエンペラーの2種類です。

考えてみれば彼等(彼女ら)は、我々人間を初めて見る訳で、我々が彼等を苛めたり、殺戯しなければ友好的な関係が保たれる訳で、我々を怖がらず訪問してくれる彼等の信頼に応えなければならないと思いました。

ペンギン達が飽きもせずジッと、「宗谷」や我々や犬達を眺める風情から、日本でもこの様な風情?を持った人達を、「ペンギン族」と呼ぶ様になったと我々が知ったのは、確か南極新聞の記事で、あったように思います。

ペンギンを捕獲して日本の子供達へのお土産にとか、捕獲して標本や剥製を作って、広く皆に南極の動物の生態を知らしむべきだと言う捕獲推進派と、捕獲は飽くまでも学術研究的なものに限り、自由勝手無制限な捕獲を是認することに反対する派とが論争し、南極新聞紙上を賑わせました。

結局「自由勝手に捕獲すること罷り成らぬ」「日本の子供達へのお土産は公的に数を制限して捕獲する」と言う事になり、1月15日捕獲した13羽のエンペラーペンギンは、「宗谷」のビセットで古巣へお帰り願い、代わりにケープタウンで購入したケープペンギンを、お土産に連れて帰って来ました。南極のペンギンちゃんとは、40年に渉る友情が保たれている筈です。

「あざらし」も南極ではペンギンと並ぶ可愛い?動物です。大小のパックにドテーンという形容で昼寝をしています。ペンギンや我々を襲う盗賊かもめが「あざらし」を襲うかどうかは知りませんが、ドテーンの状態で相当長く寝ていると思われます。真っ白な氷板が体の格好に凹み、食べ残し?や排泄物かの黄色い液の中で悠々と日向ぼっこを楽しんでいる様です。

当初 学術的な目的と、樺太犬の食料という意味から、一頭捕獲して解体、我々も試食しましたが、美味しいという程のものではなく、生きるか死ぬかの場合には、非常食として食べる位で、価値があるとすれば毛皮の方が利用価値があると思います。側まで行って「ヨォーッ」と体を撫でてやっても、「ウォッー」と顔をあげて挨拶する位で、ペンギンと同じく初めて会う人間に対する警戒心・恐怖心などかけら程も見られませんでした。それに比べて北極へ行った時、「あざらし」の

 

 

 

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