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人間開発を測定するために就学率を用いるだけでは、殆どの地域で初等・中等教育が無料なので、十分な教育をうけた人口を必ずしも意味するわけではありません。

HDIは、単に三つの構成要素の価値を3で割って計算されるものであり、つまり保健、教育と所得についてのウェイティングは同じであります。さらに、就学率と識字率については、識字率の方が就学率より高いウェイトとなっております。もし実際、識字能力が高度の発展を表示するものであったとしても、機能的な識字能力という、読み、書き、理解の能力だけでなく、計数の能力をも含むような能力が考慮される方がよいと思われます。機能的な識字能力についての問題は、この情報を集めることの困難性から、多くの国々でこれが収集されていないということにあります。

人間開発に関するその他の指標を含めることは、ミニマム・ベイシック・ニーズ(MBN)インデックスの基礎となるものでありました。この指数は、人間開発の8つの指標、即ち、公的な貧困線以下の世帯数、県(プロビンス)における公的な貧困発生率、栄養失調率、集団の生存率、成人で字の読めない人の率、安全な水を得られない世帯の比率、あるいは衛生的なトイレットを利用できない世帯の比率であります。

1990年センサスの記録によると、約2940万人、即ちフィリピンの人口の47パーセントが都市部に住んでおります。これと比較すると、1970年には約32パーセントが都市部に住んでおりました。農村部での出生率は、都市部よりも引きつづき高いものでありました。

社会の階層化についてお話したいと思うのですが、時間が2分しかないということでまとめたいと思います。このペーパーを用意していて気がつきましたのは、ダブルスペース20ページでは私が言いたいことを十分にお話できないということであります。持続的発展のための統計の役割について討議する数少ない機会でありますので、グローバル・コミュニティにおける極めて重要な、新しい分野について、全国統計協会連合会においてこの努力を引き続きなさることをお願いしたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

議長:ありがとうございました。

 

 

 

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