日本財団 図書館


〔報 告〕

「統計による格差の構造の把握:現状と方法論上の問題点」

 

フィリピン 国家統計局長  トーマス・P・アフリカ

 

“Portraying Disparity through Statistics:Situations and Methodological lssues”

Tomas P.Africa,Aduministrator,National Statistics Office,National Econonmic and Development Authority (NEDA) Philippines.

 

議長(ラオデ):皆さんお早うございます。皆様には、このモーニング・セッションにおいでいただきましてありがとうございます。午前中は、大変興味深い2つのテーマであります。第1のテーマは、「統計による格差の構造の把握」で、私の右側におられるアフリカさんからお話があります。第2のテーマは、「人間開発のための統計の課題と展望:マレーシアの場合」で、私の左側におられるイシャク・シャリ教授からお話があります。時間の制約がありますので、各報告者に30分の時間配分となっております。

そして、そのあと、ディスカッサントとして、東京理科大学の寺崎康博教授からコメントがあります。10分ぐらいの時間になっております。皆さん、時間を守っていただきたいと思います。そのすぐ後、5分程度スピーカーの方々からの回答をいただきたいと恩います。それではまず、アフリカさんお願いいたします。

 

アフリカ:議長ありがとうございました。皆さんお早うございます。私は、全国統計協会連合会に対しまして、この国際シンポジウム「アジアの持続的発展を支える統計を考える」を開催されましたことに心から敬意を表したいと思います。このような立派な会合でお話をする機会を得まして光栄に思います。

物事の全体を記述することに伴う複雑さについては、平均であるとか、あるいは同様の単純な測定方法を利用することによって、簡素化がなされてきました。同様に重要なものである変動率の測定は、何らかの理由でしばしば放置され、あるいは利用不可能であります。さらに、人口に関する詳細は、人口についての論議に際して、主要なスペースを与えられておりません。

計算機の能力が床面積や部屋の温度と比例していた過去の時期には、利用可能であるべきはずの情報が欠けているということは、理解することができました。データを処理したり、結果を公表したりする速さは扱いにくく、遅いもので、アナリストや一般公衆は、複合的な人口や種々の事件を理解するための統計を殆ど入手できませんでした。

現時点での特別な問題や課題の存在は、それらのついての統計的な可視性(statistical

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION