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4) まとめ

精神障害者に対する社会的援助のあり方についての調査結果から言えることは、次のようなことである。

?社会的援助については多くの人が重要であると考えている。

?社会的援助が現在どの程度行われているかについては、多くの人があまり行われていないと感じている。

?精神障害者に対する肯定的イメージとそうした精神障害者を身近に受け入れ、接することが、社会復帰促進についての積極的態度に関連する。

?精神障害者についての消極的、否定的イメージは、社会防衛的態度に関連する。

?精神障害者を排除したり距離を持つことは、情報を報道やマスコミに期待する態度に関連する。

?実際の福祉サービスの提供については、高齢者へのサービスと同列に考えることには抵抗感が強く、理解も不十分である。実際のことになると排除的な態度が強く見られる。

 

以上のことから、精神障害者に対する社会的援助が十分に行われるべきであることは勿論、その必要性と実際の援助が、広く国民に理解され、受け入れられ、自由に提供されるためには、精神障害者への正しい理解についての情報や教育が大切であるとともに、精神障害者が当たり前に地域社会のなかで生活し、その生活と支援の実際が常に市民の目に触れ、市民に接していることが、精神障害者との心理的距離を縮め、排除的態度を変えていくことに大きな力を持つものと考える。

 

 

 

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