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ストレスを感じた際に、どこに相談したいと思いますかという問に対し、「家族や友人・知人」が7割以上と最も高くなっている。なるべく身近な知人に相談したいと思っている人が多いといえる。ただし家族と友人とを同じ項目の中であつかったため、家族と友人の間での差が見えなくなっている。

次に「専門のカウンセラー」(29.5%)、「かかりつけの医師」(25.5%)、「精神科の医師」(15.1%)となっている。その他のものは、1割以下となっている。

年代別で見ると、「かかりつけの医師」では「60〜74歳」でもっとも高くなっている。また「家族や友人・知人」では「20〜39歳」が最も高くなっている。

 

3. まとめ

 

こころの健康に関する事柄で、自殺や不登校の問題は、テレビ・新聞等でよく取り上げられる話題だが、具体的な内容となると知らない人が、それぞれ約8割、6割にものぼる。こころの健康に関することへの関心は、年代の間に差がみられる。例えば、若い世代は、学校生活、子育て、家庭、職場のこころの問題に関心を寄せており、高齢の世代では、高齢者の介護や退職後の生活に関わるこころの問題に関心を寄せている。これらのこころの健康に関して、望ましい情報入手先については、テレビやビデオ、新聞・雑誌の記事など、どこかにわざわざ出向かなくても情報を入手できる媒体を好んでいることが分かった。特に若い世代になるほどその傾向が強い。中年世代では、他の年代に比べ若干ではあるが、市民向けの講演会・研修会、専門機関の相談窓口など自ら足を運んで情報を入手する方法を好んでいるようだ。

ここ1年間のストレスを感じた頻度については、あまりない、全くないと答えた人が全体の半数以上であった。世代が若くなるほど、時にあると答えている割合が増えている。

その時の状況については、高齢の世代では、睡眠困難や動悸息切れなど身体の変化を感じ、若い世代では、いらいらしたり、生き生きした感情がわかないなど、感情の変化を感じ、さらに忘れるほどアルコールを飲みたくなったり、誰も知らないところへ行きたいなど現実の世界から少し遠ざかりたいと感じているようだ。

相談相手については、家族・友人など身近な人が多くあがっている。また一方で専門のカウンセラー、かかりつけの医師、精神科の医師などの専門家を相談相手として選んでいる人も多かった。

 

 

 

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