日本財団 図書館


第4章 港湾関係者へのヒアリング結果

1.各港湾における港湾振興の取り組み

各港湾における港湾振興の取り組みを、港湾管理者へのヒアリングを中心に整理する。

(1) 横浜港

横浜港は北米航路が中心であり、近年、中国航路も開設された。トランシップ貨物は1996年で17%を占め、震災時の1995年は20%であった。横浜港は在来貨物バースの集約化が課題となる中で、コンテナ貨物が増大し南本牧埠頭整備が必要となった。現在、南本牧埠頭公社バースを整備中である。

今後、横浜港への本船誘致について取り組みを強化したいと考えている。1997年3月に、「横浜港を使いやすい港にする提言」について懇談会を設置し、その後、協議会として、港の活性化に取り組んでいる。提言内容について委員会を設置し検討を行う予定である。特に、ストックヤードの再配置等の問題を解決し、より効率的で使いやすい港づくりに注力したい。

(2) 名古屋港

名古屋港のコンテナ貨物量は、1996年は前年とほぼ同量であった。1995年に震災の影響で貨物量が増加したことを考慮すると、実質2割程度の順調な伸びを示している。取扱品目は、自動車部品が全体の6割を占めている。名古屋港を経由する輸出貨物の96%が中部9県で発生し、輸入貨物の98%が中部9県で消費されている。トランシップ貨物は全貨物量の1%に満たず減少傾向にある。名古屋港は、西に神戸港、東に横浜港があることから、中部圏内のメインポートとして機能している。

1982年に「名古屋港利用促進協議会」を設置し、そこに「港湾調査会」を開設し、名古屋港利用促進に係る検討をしている。今後、ハード面では、バースの大水深化、東西航路の拡幅等が必要である。ソフト面では、港費削減を課題として捉え、船舶入出港や港湾管理に係る情報システム等を導入し、利用者サービスを充実している。

(3) 大阪港

大阪港は背後圏が大きく、中国、東南アジアの輸入貨物が増加傾向にある。輸入港としての性格が強いことから、地方港との競合は実感するほどない。後背地に接して、コストの安価な企業の倉庫、荷裁き場が立地しており、港頭地区でのLCLカーゴが減少している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION