日本財団 図書館


3 災害記録等(文字・数値のほか,災害対応等の実データを主体とする資料)

 

(1)対象とするデータの属性・形式等の特性

 

災害記録等は,基本的に文字・数値情報を主体とした資料である。ここでいう災害記録等とは,研究機関による災害実態報告書や地方公共団体による災害誌・記録集などであり,発生した災害の数に応じた膨大な資料が存在する。

掲載データの形態をみると,文字・数値情報が主体であるものの,これらのほか,被災状況等の写真・地図等の画像情報を併用することが多い。

これらの資料は,いわゆる記録データを集約したものにとどまらず,特定の災害による被害の実態とこれに伴う様々な災害対応の実事例データをもとに問題点・教訓・課題を抽出・整理したものが多く,この点で,防災関連調査報告書と同様,知見情報を含む資料と位置づけられる。

 

(2)対象とするデータの情報量・保持形態等の特性

 

一冊の災害記録等の情報量は,概ね100〜300頁相当(1頁につき,漢字にして1000文字相当と換算すると,文字による情報量は概ね10万文字〜30万文字)。但し,文字以外の図表・画像情報等については,地域防災計画や防災関連調査報告書等と同様,データの処理方法にもよるが,デジタル化に際してはある程度の容量となるものと考えられる。

データの保持形態については,概ね紙媒体(印刷物)となるが,最近はこれに加えて,フロッピーによる保持形態とするものも多くなっているものと思われる。

 

(3)デジタル化傾向の概況

 

近年の災害記録等の作成過程をみると,ワープロを活用して作成されることが多いが,最終的な印刷段階では,印刷業者の作業としてデータ化されることが多い。但し,これらのデータそのものが,作成者以外に提供され,共用されることは少ない。

また,このような災害記録等を入手したり,利用しようとする場合は,刊行機関より入手する方法が一般的である。

この場合,デジタル化がそれほど進んでいない現状から,デジタル化された災害記録等の内容そのものの入手は困難だが,資料のタイトルや抄録については,1の「地域防災計画等の各種防災計画書」でふれたように,科学技術文献情報検索システム等の各種商用データベースやインターネット上に公開している各種サイトを活用して入手することが可能になっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION