「火と樹木」に関する記述を各種文献から収集、整理してみると以下のようになる。
(1)材が難燃と云うもの:ミズナラ、ナナカマド、チークノキ、キリ、カシワ、ニセアカシア、タイワンネムノキ
(2)材に水分多く難燃と云うもの:ミズナラ、ショウベンノキ、アワブキ、ミズキ、サンゴジュ
(3)防火村と云われるもの:サンゴジュ 古来「火防せの村」と称す。
イチョウ 火くいの木、火防せいちよう、火防の木、水吹き公孫樹、霧吹きいちょうなどの名あり。
コウヤマキ 火防せの村と称す。
その他、ヤマモモ、スダジイ、マテバシイ、シラカシ、セイヨウヒイラギ、フクギ、アオキに火に強いことが記されている。
なお、ナンテン(庭中に植え、火災を逆くべし)、ソテツ(強く火息をさく)、シキミ(軒に吊し、鎮火まじないとす。毎朝カマドに一葉づつ投ずれば、火防の効あり)などの言い伝えが見られるが、実効の程は定かではない。
以下、火と樹木について調査、実験などから紹介してゆくこととする。