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数の水上艦と潜水艦か参加した。演習の終了近くに、USS КITTY HAWKはS-3A VIKING ASW機を自艦から450NM北西の海面で捜索にあたらせていた。10月27日、HAN級SSN l隻が、青島にある北海艦隊司令部の東方で潜望鏡深度で探知された。KITTY HAWKが韓国へ向けて航行を続けるにつれて、HANは南東に向かい、2日後には空母から21NMの範囲内に到達した。VIKINGによる多重センサー追尾及び護衛艦によるアクティブ・ソーナーの追跡を受けたことは驚くに当たらなかった。それに対応して北海艦隊司令官は迎撃のため海軍戦闘機数機にスクランブルを命じた。これは陸上の司令部が潜水艦と航空機の両方を十分に運用統制していることの明らかな証拠である。司令官は米軍の所在を知っており、対応する権限を持っていた。HANはほとんどの時間潜望鏡深度にあり、退避を試みるのではなく空母の近くにとどまっていた。それは偶然の遭遇というよりむしろ、未熟とはいえ指揮官たちが初めて故意に主要米艦艇を追尾する試みだったのではないかと思われる。HANの指揮チームが実戦的な、しかしやっかいな近代的ASW能力について若干の教訓を学んだことは疑いもない。

 

16.運用能力に制約があり、安全保障政策の平和的な性格を繰り返し強調しているにもかかわらず、中国は南シナ海の3組の島の領有権の主張を後押しするため軍事力を行使してきた。3組の島とは西沙群島、尖閣列島、南沙群島を形成する180の珊瑚礁、浅瀬及び島々のことであり、南沙群島については中国の他に6カ国(台湾、フィリピン、インドネシア、ベトナム、ブルネイ及びマレーシア)が様々な度合いで領有を主張している。最近、中国は南沙諸島付近で海軍演習を実施し、さらにPLAを使って標識と居住用建築物を建て、そのいくつかに居住させている。その島々のほとんどはきわめて小さく、満潮では水没する。したがって、それらが戦術的に軍事利用されることはほとんどないが、後述するように他に理由があると思われる。

 

17.中国は、係争国とは2国間でのみ協議することを繰り返し主張しているが、最近、最も激しい論争がフィリピンとの間で行われ、フィリピン軍は中国か建てたいくつかの施設を破壊した。現在まででもっとも深刻になる可能性のあった対立は1995年5月半ばにさかのぼる。それは、中国の漁民がミスチーフ礁を占拠し、小屋を建てて中国旗を掲げたときであった。事前に中国が外交的に抗議をしたのにもかかわらず、フィリピン海軍はLSTに報道陣を乗せて珊瑚礁の査察に行った。より安全を確保するために、戦闘能力のあるS-211ジェット練習機2機を上空直衛に付けた。LSTが到着したとき、中国の漁船2隻が直前を横切り、両側からこれを取り囲むような動きをした。そこに中国のフリゲート2隻が高速で接近したが、LSTが北に針路を変えると追跡をやめた。中国がなぜ立ち去ったか興味深い。中国は政治的理由から控え目な行動をとったのか、または上空のフィリピン航空機の存在が中国のより攻撃的な行動を抑止したのか。明らかにそれは練習機であったが、PLANは海上防空能力不足を懸念したことは確かで、それが慎重な行動をとらせたのかも知れない。

 

18.この事件の数日前、中国の見解を取り上げることで知られた親政府的雑誌に暴露的な記事が掲載された。その中で筆者は、南沙群島に関して中国と(あからさまに名指して)フィリピンとの間に起こる衝突の可能性を検討し、そのような紛争に投入されるべきPLAの部隊を掲げた。これかPLAの作戦

 

 

 

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