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解と協力、もっと言えば価値観とそれに基づくライフスタイルの転換が不可欠である。しかも、その価値観は、これまでの西欧的な近代合理主義的な思想を越えた新たな価値観であり、そういった価値観の変革を迫る問題として受け止める必要があると思う。

 

2 本市の取り組み事例

地球環境問題に対する取り組みは正直難しい。ここでは、その中でも本市が力を入れていたり、あるいは他都市に比べてユニークと思われる事例を中心に紹介してみたい。

(1)ローカルアジェンダ21

本市では平成8年4月に環境基本条例を制定した。その後、環境基本計画の策定に向けて基礎調査を行うなど、新たな環境保全施策の展開を図っているが、その一環として地球環境保全を中心とした地域における環境保全の取り組みを具体的に推進するため、「なごやアジェンダ21」を策定した。(図1)

この計画は「持続的発展が可能な社会」を達成することを目標に、都市としての機能の充実を図りながら環境への負荷が少なく、自然と共生した環境に優しい都市を実現することをめざしており、その計画期間は21世紀初頭とされている。アジェンダ21という名のごとく行動目標を21設定し、これに行動計画メニューを定めている。(図2)

例えば、基本方向1「環境に配慮した生活行動の定着」の行動目標6「環境学習や地域の環境保全活動への積極的参加」では、家庭生活では、各家庭ごとに環境家計簿をつけ、行動メニューを作ってみるとか、行政では環境学習センターを拠点とした環境保全活動を企画するというような形で、市民・事業者と行政の役割を具体的に示している。

さらに、この行動計画を市民に理解してもらい、実効性のあるものにするため、市民・事業者団体及び行政機関等が参加する母体となる組織「なごやアジェンダ21」推進協議会を設立している。

この推進協議会は(ア)アジェンダ21の進行管理(イ)数値目標の設定(ウ)フォーラム等開催による市民意見の把握を目的に学識経験者、市民、企業、行政の各代表の計37名で構成され、平成9年3月に設置されて以来、これまでに3回開催された。

 

 

 

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