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ふるさと環境シンポジウム(和歌山県)報告書

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


私は、絶えずそれを子供たちに言い聞かせてきました。昔、我々が動物や植物の体内から出てきたものだけを用いていた頃、例えば衣料品は綿か絹か羊毛、もうちょっと特殊なものであっても、それは動物か植物からとれたもので、使用するものも、紙はもちろん材木からとれたもので、こういうふうに動植物からとれたものだけがごみとして捨てられていた頃は、私たちが少々不用意にそこらへ捨てても問題がなかったわけです。それは、全部土に返っていった。

ところが、化学製品がたくさんでき始めてから、一方で私たちは腐ることのないものを使えるようになった。例えば水道管など、もう我々が今まで使っていた竹のように腐るものを使わなくていい、鉄のようにさびるものを使わなくてもいいということで万々歳を叫んだのですが、そのすぐ後からこれの恐ろしさがわかってきました。

子供たちには、絶えずこのことを言って聞かせなければ地球は大変なことになるという自覚を持ったのが最初でした。

私たちは、ごく最近まで、地球というものは途方もなく大きなものであるように考えていました。人間が少々凶暴に振る舞っても、ひっかいても、汚しても、それは大丈夫なものであると思っていたのですが、実はそれは私たちの情報を読む力が欠けていたからだと思っています。今や、そうではありません。地球は、私たちにとって本当に1つの小さな星にしかすぎません。その小さな星のごく一部分の上っぺらに薄く黒い土が乗っているだけです。私たちが使うことのできる淡水は、その一部分をちょろちょろと流れているだけです。やがて、その水がもうすぐなくなるのではないか。おととし、米国の大学の先生が、30年後には地球の淡水が枯渇すると発表されました。国連のある委員会も、2010年ごろには水をめぐって水戦争が地球上に勃発するおそれがあると発表しました。もっと身近な例で言うと、白浜温泉の泉源の湯の水位が下がって海水が入ってきている。これの原因は何かというと、伐採のし過ぎ、舗装のし過ぎに違いないという研究機関からの報告があったということです。地球は小さいのです。

私たちは、その情報が読めなかったということが、今さら悔やまれます。私は、子供たちを修学旅行に連れていく場合も、決してガイドさん任せにはしませんでした。例えば法隆寺や東大寺、ガイドさんは「これは世界一大きな木造建築でございます」、「世界で一番古い建物です」というふうな説明しかしてくださいません。違うんです。法隆寺のあの回廊のエンタシスの柱は、直径2.5メートルないし3メートルもある大きなヒノキを2つ割りまたは4つ割りにしたものである。法隆寺に最初に使った柱の記録を見ると、高さ30メートル、末口の直径が1メートル以上もあるようなものが80本以上も使われたとある。それが全部近畿地方からとれたというんです。今、ないじゃないですか、そんな大きな木は。人間は森林をどうしてしまったのか。

それから、中近東やシルクロードのあの砂漠は初めから砂漠であったのではない。人間の文明がひっかいて削ってしまった後の砂漠なんだ。人間の文明、人類の文化というふうなものがいかに凶暴に地球を傷つけてきたか。そういうことを子供たちに言ってきたつもりです。

例えば、和歌山県の海岸林を歩いてみますと、ヤマモモやらウバメガシを植栽した後が歴然としています。魚つき保安林として海岸林に木がたくさん生えているということがどんなに大事かということに昔の人は気付いていたのです。

海岸の森林で養われる豊かな養分が静かに海に流れ込んで、それがプランクトンとなり、小さな生物となり、それが魚に入って魚を育てるということを昔の人は知っていたんです。それ

 

 

 

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