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「暮らしを楽しむ・

いきいきとしたまちづくり」

野島 民雄 (高知県香北町長)

 

香北町は、高知市の北東約30Km、高知平野を貫流する一級河川物部川の中流に位置し、年平均気温は14.8度、年間降雨量は2,500mmと植物の成育には良好な南国土佐特有の気候風土に恵まれた自然豊かな農林業の町です。

町の歴史は古く、美良布遺跡から縄文式上器が発見されていることから、人類は2千年前から住み、延喜式(大川上美良布神社)の存在から推して、約1千年前から栄えている歴史と文化の香る町です。

しかし、山間の過疎の町特有の高齢者比率は、全国平均を大きく上回る34%にまで達しており、若者定住を図り活力あるまちづくりを進めるため、町営住宅の建設に取り組むと同時に、高齢者がいつまでも元気に、健康で老いていくために「健康長寿計画」を策定し、高齢者の一人ひとりの長寿検診を行い、それに見合ったメニューで健康長寿運動教室やレクリェーションを楽しみながら行っています。

平成10年には保健福祉センターも完成することから、センターを核とした住民福祉施策を充実し、ディサービスやホームヘルパー等々との連係を密にした福祉行政への取組を行っていきます。

平成7年には、香北町出身でアンパンマンの原作者やなせたかし氏のご協力をいただき香北町立やなせたかし記念館「アンパンマンミュージアム」を建設。7月のオープン以来北は北海道、南は沖縄県から約40万人の入館者を数えています。

夏休みや日曜日には、5千人の町の人口を上回る6千人以上の子供たちが町を訪れて、元気な声と賑わいを見せています。この「アンパンマンミュージアム」を町の活性化に結ぶよう住民と一体となって取り組んでおります。また、現在は「詞とメルヘン絵本館」をやなせたかし氏が建設中であり、平成10年7月のオープンが期待されています。

一方、「ゴンドラの歌」の作詞者で傷心の身をこの地で癒した、歌人吉井勇の記念館もいよいよ建設に着手する運びとなりました。

香北町は、歴史的、文化的、自然環境等たくさんの地域資源に恵まれた町です。「この町で暮らすことが楽しい、住んでいて良かった」と実感できる町づくりを行うため、平成10年度に第6次香北町開発総合計画を策定します。

計画の日標を、「暮らしを楽しむ・生き生きとしたまちづくり」とし、地域に暮らす人々が心豊に生活できる生活基盤の整備と、均衡の取れた町、地域に暮らす人々が自ら考え、自ら学習し、積極的にまちづくりに参加できる「住民参加型行政」を進めることによって、行政と住民が一体となり、すみよい町を協働で創って行きたいと考えております。

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