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自治だより平成10年1月号(123号)

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


わせられるということが必要であり、おのずからその規模が定まってくる」と発言された。また、道端理事長は「人口や面積といった客観的基準で区切るだけでは不十分」であるとし、地方分権を担えるだけの能力のある人材が果して地方にどれだけいるかを考慮すべきだと述べた。

さらに、荒巻知事は市町村合併の是非に触れ、市町村が合併して規模を大きくしなければ分権は進められないとする主張が一部にあることについて、「分権を阻むことが目的ではないか」との見解を示し、「市町村の能力を議論する前に、まず権限と財源を与えてみるべきだ。それで、支障が生じ、合併しか解決の方法はないということになれば、それが本当の市町村合併である」と述べている。

 

住民に対する期待等

住民に対する期待については、森田教授が、住民には潜在的なエネルギーがあるとし、これを引きだすにはむしろ議会の役割が重要だと指摘している。さらに、「これまでは各自治体が個性や特色ある行政をやろうとしても、国が枠をはめているためにできなかったが、分権委員会の勧告がその枠をはずした。各自治体は新しい政策をどんどん打ち出し、元気のあるところを見せて欲しい」と述べている。また、道端理事長は「分権が進めば、住民の眼の届くところでまちづくりが進められるようになり、我々住民が行政を全部チェックできるようになる」と述べ、住民参加の必要性を訴えた。一方、野中町長は地方分権は一朝一夕には進むものではないとし、次の世代のために「一時期、住民に辛抱いただくこともある。」と述べ、住民に理解と協力を求めた。

このほか、小幡教授は、「これまでは地方に権限を与えなかったために職員が育たなかったのであり、政策の立案ができるようになれば、職員もやる気がでる。それが本当の住民自治であり、そうなれば住民から見て、行政が変わってきたという実感が得られるようになる」と述べたのが印象に残る。

終わりに、川島氏がこれからの分権型社会においては、住民が行政の中に入り込んでいくことが必要だとし、阪神・淡路大震災や、あるいは日本海の重油流出事故で見られたようなボランティア活動をはじめ、NPO、NGOの活動が、重要な役割を担うと指摘してパネルディスカッションをしめくくった。

地方分権推進委員会の勧告を受けて、平成10年の通常国会の会期中にも政府の地方分権推進計画が作成されることが閣議決定されており、地方分権はいよいよ実施段階を迎えることとなるが、このような重要な時期に京都において分権委員会の主要なメンバーを交え、全国規模のフォーラムを開催できたことは大変光栄であった。これを契機に行政関係者のみならず、住民の方々にも地方分権について御理解を賜り、御支援と御協力をいただければ幸いである。

最後にこの場をお借りして地方六団体、財団法人自治総合センターの皆様をはじめ、本フォーラムの開催に御協力をいただいた関係各位に厚くお礼を申し上げる。

 

講師/諸井 虔(もろい けん)

地方分権推進委員会委員長

 

PROFILE

1928年生まれ。'53年東京大学経済学部卒業。同年、(株)日本興業銀行入行、'65年同行審査部調査役。'67年秩父セメント(株)入社、'69年同社取締役を経て'76年同社代表取締役社長、'94年秩父小野田(株)代表取締役会長、'96年同社取締役相談役に就任、現在に至る。

地方分権推進委員会委員長、(社)経済同友会幹事、産業構造審議会委員、経済審議会委員、税制調査会委員、行政改革会議委員などを務める。

 

コーディネーター

川島 正英 (かわしま まさひで)

(株)地域活性化研究所代表

元朝日新聞社編集委員

 

1933年生まれ

早稲田大学政治経済学部卒業

1956年  朝日新聞社入社

論説委員、編集委員を歴任

1993年  フリージャーナリストに

1994年〜(株)地域活性化研究所

代表取締役現在、地方分権推進委員会地域づくり部会部会長代理、地方制度調査会委員

 

パネリスト (五十音頼)

荒巻 禎― (あらまき ていいち)

京都府知事

 

1931年生まれ

九州大学法学部卒業

1954年  自治省入省

1971年  京都府総務部

1975年  国土庁地方振興局総務課長

1977年  消防庁総務課長

1978年  京都府副知事

1986年〜 京都府知事

現在、全国知事会副会長、生涯学習審議会委員、観光政策審議会委員、運輸政策審議会委員

 

小幡  純子(おばた じゅんこ)

上智大学法学部教授

 

1957年生まれ

東京大学法学部卒業

1986年 上智夫学法学部専任講師

1988年 上智大学法学部助教授

1995年〜上智大学法学部教授

現在、地方分権推進委員会地域づくり部会専門委員、地方制度調査会委員

〈主な著書〉「アルマ行政法」(共著)有斐閣1997年

「行政法の諸問題上巻」(共著)有斐閣 1990年

 

野中 一二三(のなか かずみ)

園部町長

 

1931年生まれ

1979年〜 園部町長

1988年〜 京都府町村会長

現在、全国町村会副会長、中央環境審議会委員、農政審議会委員

 

道端 進(みちはた すすむ)

京都中央信用金庫理事長

京都経済同友会代表幹事

 

1930年生まれ 立命館大学経済学部卒業

1969年 京都中央信用金庫理事

その後、常務理事、専務理事、副理事長を歴任

1989年〜 京都中央信用金庫理事長現在、(社)京都経済同友会代表幹事、京都商工会議所常議員

 

森田 朗(もりたあきら)

東京大学大学院法学政治学研究科教授

 

1951年生まれ

東京大学法学部卒業1980年 千葉大学人文学部講師

1981年 千葉大学法経学部助教授

1993年 千葉大学法経学部教授

1994年〜東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授

現在、地方分権推進委員会参与

〈主な著書〉

「許認可行政と官僚制」岩波書店 1988年

「現代の行政」放送大学教育振興会 1996年

 

 

 

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