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(1) 目的明確化の考え方

まず第一に,よいもの,よいサービス,よい修繕とは何か,仕事の目的は何か,何のために修繕を行うのか,いつまでに,いくらで,あるいは製品の使用目的は何か等々,何事においても,目的を明確にすることが大切である。

図面や仕様書,検査規格,関係する法律などをしっかり読んで,自分達が行う修繕作業の意味や,製品や部品の使用目的,あるいはコストをはっきりと理解しておくことが大切である。

(2) 管理の考え方

前節で詳述した

(3)予防の考え方

この考え方は,不良品を作ってしまってからその後始末に努力するよりも,不良品が発生しないように予防に力を注ぐべきだというものである。

不良品を防ぐために,工場では,整理整頓を行って不良が出ないようにし,また受入検査や中間検査を行って不良発見に努める。また設備の予防保全,計測機器の校正など,根本的に不良発生しないように,後述する「4つのM」について重点的に管理することである。

(4) 再発防止の考え方

日常,作業場ではいろんな品質不良や手直し作業が発生している。あるいは客先でトラブルが発生してクレーム(苦情)となってかえってくることもある。

それらについて重点的に不良を取り上げてその再発防止に努力することが必要である。慢性不良についても長い目で根気よく不良対策を実施する必要がある。

お客からの品質についてのクレームや製造工程で不良が発生した場合,ただちに原因を探究し,?応急処置を行い,二度と同じ誤ちを繰返さないように根本的対策をたてて?再発防止処置を行い,結果を確認していくことが大切である。

客先からのクレームに対する対策書や,品質会議を開催して再発防止対策を行ったりすることである。

(5) 統計的な考え方とQC7つの道具

これからの時代はお客のためだけでなく,自分のためにも事実(客観的な証拠物件,データともいう)に基づいて品質を保証,あるいは管理していかねばならない。よい仕事をした,よい材料・製品,よいサービスであることを事実で証明しなければならない。そのためにはデータをとらねばならない。しかもそれはできるだけ具体的に数量でしかも層別して表すことが大切である。

数量で物をいう習慣をつけることは苦労を伴うが是非必要である。そしてデータをとっていると,データにはバラツキがあり,そのバラツキにも,仕方がないバラツキと,すぐに手を打って是正しなければならないバラツキがあることに気がついてくるであろう。このバラツキをどのように経営上有利に管理していくかが統計的品質管理である。またデータは製品全部について取ることができないので,少ない試料のデータから,大多数の製品のできばえをどう保証していけばよいのか困ってくる。このようなときの助けになるものが統計的品質管理手法である。

つぎに統計的品質管理で,?から?までに基礎的に最も広く活用されている7つの手法,所謂「QC7つ道具」といわれるものを図示する。その作り方,使い方については日本規格協会で発行しているJISハンドブックQC(1992)を参照するとよい。

(6) 証拠資料で立証の考え方

管理の考え方で述べたように,これからの品質管理は,証拠資料で立証する,すなわちデータで管理することが基本である。従って,やり方も文書化し,実施結果はデータ・記録にとっておくことが大切である。

 

 

 

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