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甲板上機器類の着氷防止技術に関する調査研究報告書

 事業名 甲板上機器類の着氷防止技術に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


4.5 アンテナ

船舶用として一般的に使用されている空中線系には次のものがある。

@MF.HF送受信用逆L型およびT型ワイヤ空中線

AVHF送受信用単一型空中線(国際VHF)

BHF(27MHz帯)送受信用単一型空中線

C6mおよび8mホイップ空中線

Dナブテックス受信機用ホイップ空中線

EGPS航法装置用空中線

F衛星系通信機器用ドーム型空中線

Gその他方探用ループ型空中線

 

(1)MF.HF送受信用逆L型およびT型ワイヤ空中線

MF.HF帯の周波数を装備しているほとんどの船舶に用いられるごく一般的な空中線であるが、水平部と引き込み部を合わせた形状により、このように称される。

@空中線の材質は、硬銅の素線を7本から10数本をより合わせて、カーボンポリエチレン材で被覆したものである。

その形状から、着氷の被害を受けることが非常に多い。水平部では、直径10mmの線材が10〜15cmにも成長する。この部分は高所であるため、簡単にハンマリングが出来ないので着氷した状態のままとなり、船の振動や動揺が重なって線材の伸びを来し、ひいては断線や碍子の破損によって着いた氷が落下するという事故が多い。この線材についての着氷防止対策の文献はあまりなく、わずかに日本海難防止協会の中間報告書14)に見られる程度である。この中で、北斗丸に電熱ヒータを内部に入れた空中線を装備したとの記述があるが、その効果や線材の特性等のデータは明らかにされていない。実船においても、ほとんど使用された実績は見られず、実験室的段階の研究で終わってしまっているようである。

A垂直部および無線室内への引き込み部のうち、垂直部は下側からハンマリングが出来るのと、振動によって次々と落下してくるので、比較的容易に除去出来るが、引き込み部はおおむね図4-5-1に示すような複雑な構造となっており、操舵室の天井付近に設置されるため、着氷の度合が最も多い。この箇所の着氷は、電波輻射効率を極端に低下させるので、頻繁にハンマリングをして除去する必要があるが、その時に引き込み線の碍子、空中線のホールドに使われている波型展張碍子を破壊してしまうトラブルが多発している。

現地においては、図4-5-2および図4-5-3のような方法による着氷対策を実施している例も見られ、かなり有効とのことである。

イ、図4-5-2 引き込み部分全体を、パイプの骨組みに帆布(ポリエステル系)を張り付け、覆ったもの。

ロ、図4-5-3 引き込み碍子部分に鉄製のボックスを溶接し、それにエスロンパイプ(80mm)を立て、その中に電線を通す。頂上は木栓をボンドで接着し、防水処理をしたもの。

ハ、船体構造によっては、イとロの方法を併用したもの。

ニ、引き込み部に使用する電線ホールド用の波型碍子は、陶磁器であるため、ハンマリングによって破壊される事故が多い。この箇所に使用する碍子には、衝撃に耐えるものでなければならないが、通常は通称ナイロン棒というプラスチック素材を代用している。これは、アセタールコポリマーを原料としたプラスチック素材で、ギアやローラのような機械部品の加工材として用いられている。そのデータによれば、吸水性、低温時の機械的強度、また電気的特性も優れていて、この用途には適しているが、陶磁器碍子に比べて高周波特性はどうかは定かではない。直径30mmの、素材の長尺物を現場に合わせ200〜300mmに切断し、両端にシャックルを取り付け用いている。ハンマリングでの破損は皆無とのことである。

図4-5-6に逆L空中線引込部の着氷状況を示す。

 

 

 

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更新日: 2019年10月19日

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