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種々のNO吸着剤の文献事例調査結果から、ゼオライトおよびBa-Cu-OやMN2O3-ZrO2等の複合酸化物は極めて高いNOx吸着能を有することが明らかとなった。また、これらのNOx吸着能は4.0〜10.0cm3 /cm3-cat程度で、先の求められる吸着能と比較して、十分な吸着量であることから、NOxの除去に極めて有望な材料であることが明らかとなった。

一方、小型の船舶への搭載使用することを考慮すると、装置のコンパクト化が不可欠である。したがってNOx以外の共存ガスを前段で処理する必要のないシステムが望ましい。そこで共存阻害物質、特に水蒸気の共存による吸着阻害の程度を試算した結果、水蒸気の共存は極めて深刻な影響を受けることが明らかになった。ハニカムにすることおよびSOxによる被毒影響も考慮するとさらに吸着能を向上させる必要がある。

 

・最適触媒システムの設計

上記調査および検討に基づいて、小型内航船用として脱硝率の高い触媒の設計を行うとともに、特に始動時等(低温時)の排ガス脱硝率の高いシステムとして「吸着剤-選択還元触媒」の複合化による新しい触媒システムを検討した。

これまでの検討結果からゼオライトは自動車のガソリンエンジンの実排ガスの浄化触媒としても採用された実績があり、NOx吸着能も大きいため極めて有望な材料である。そこで、平成10年度は、ゼオライトをベースとして、機能向上を行う。

 

(2)触媒の試作・評価

 

・触媒調製法の検討

最適触媒システムの機能特性の検討結果に基づいて、触媒調製法及び活性成分の担持法等について検討を行い、イオン交換法および含浸法を用いることとした。

 

・触媒調製

 

 

 

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