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(3)まとめ

これまでの文献事例調査結果からは、ゼオライトに関するNO吸着の研究事例が豊富で、NO吸着量が大きく、排ガスからのNO吸着除去にも使用されている例が見られた。とくに、銅イオン交換ゼオライトの研究例が多い。

また、複合酸化物系では荒井らにより報告されているBa-Cu-O系複合酸化物が理想的な模擬ガス条件下ではあるが実排ガスに近い濃度と流量のNOを100℃〜400℃でほぼ100%近く吸収しうることが知られている。

一方、NO吸着促進に関する過去の研究事例を見ると、共通して塩基性物質によるNOxの吸収効率の向上が図られている。Ba-Cu-O系化合物においても塩基性物質のBaが利用されている。

したがって、本年度はまず種々のゼオライトをベースにNO吸着特性の検討を行い、平成10年度へ向けての検討課題を抽出することとした。

これらの知見をもとに、平成10年度は塩基性物質との組み合わせによるNO吸着の促進を図る。また、これらを実条件下で使用するための問題点等を明らかにすることを試みる。共存ガス、特に水蒸気による吸着阻害は、NOxの吸着、および選択還元除去に共通して本質的な開発課題である。したがって、 本研究開発の初期2年間ではゼオライトや塩基性物質を利用した、高効率なNO吸着サイトのモデル化、およびこれらの活性点に対するH2Oによる吸着阻害について検討を行うことを目的とする。

 

 

 

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