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第3章 触媒の試作・評価

 

3.1 触媒調製方法の検討

 

3.1.1 平成9年度目的

本調査研究では、従来型の脱硝触媒の問題点である出入港時の問題を解決する方法として、「吸着剤-選択還元触媒」の複合化による新しい脱硝触媒システムの調査研究を行い、小型内航船用ディーゼルエンジンの脱硝システムの性能改善を図ることを目的とする。

本年度は低温時に排出されるNOxを吸着するための「吸着剤」の研究に的を絞る。本年度は文献事例の検討結果からまず種々のゼオライトをベースにNO吸着特性の試験を行い、平成10年度へ向けての検討課題を抽出することとした。吸着剤改良によるNO吸着能向上の指針を得ることを目的としている。

 

3.1.2 使用試薬・サンプル

 

本研究開発では以下に示すゼオライトを用いて検討を行った。

(1)ゼオライト

ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩(アルミニウムを含むケイ酸化合物)である。主成分はSiO2, Al2O3, H2O, K2O, CaOであり、その結晶水は加熱によって放出され水蒸気となることから、ゼオライト(zeolite)と命名され、沸石と邦訳されている。今日、ゼオライトは、それぞれ固有の細孔径、表面電場、イオン交換能、吸着分解能、固体酸性質などを持っており、これらの物性が学問的な研究の対象となるのと同時に、その機能を乾燥剤、吸着剤、分子ふるい、イオン交換剤、触媒、肥料および飼料添加物、土壌改良剤、製紙用充填剤、プラスチック用添加剤などに実に多面への利用研究が進み、また普及しつつある(図3.1-1, 3.1-2)。

ゼオライトは極めて有用機能材料のひとつであり、資源・エネルギー・環境などの人類の究極的な課題の解決に貢献するはかり知れない可能性を秘めてい

 

 

 

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