2) Acvaplan niveパイロットプラント(Tromso)
同社は1)のAquaculture Research Stationと連携をして1995年からハリバト(おひょう)、ターボット(ヒラメ)、ウルフフィッシュ(オオカミウオ)の研究を行っている。
水槽は、長さ30m、幅1.5m、深さ6〜7cm、25cm、50cmの浅水水槽で、魚体の大きさ、魚種に合わせて深さを変えて育成している。用水は水深110mから汲み上げた3〜8℃の海水で育成している。同社のオオカミウオの育成の例では、2cmの稚魚が1年で15cm、2年で50cm、3年で70cm(3〜4kg)に成長している。
写真4に屋外に設置されているヒラメの浅水養殖水槽の全景を、写真5に浅水養殖水槽で養殖されているヒラメを示す。
3) Tromso Marine Yngel社(Tromso)
同社は、2)のAcvaplan niveパイロットプラントと経営者が同じである。この施設は、ハリバト(おひよう)のふ化した稚魚(0.3cm)をパイロットプラントから移送して、1cm程度の稚魚に育成し出荷する施設である。育成水槽は直径約1mの水槽で、プランクトンを餌にして育成する。敷地内には大きな池があり、池の中でプランクトンを増殖してハリバトの餌にしている。
この池では、動物性プランクトンが植物性プランクトンを食べて成長し、その動物性プランクトンを育成水槽の稚魚が食べて成長するシステムになっている。池の用水は淡水であるが、動物性プランクトンは海水で育つので、すぐ近くの海から海水を取り入れ、水の比重を利用して上層は淡水、中層から低層は塩水にし、同じ池で動物性と植物性プランクトンを育てている。
写真6にTromso Marine Yngel社のプランクトン培養池の全景を示す。
4) AQUANOR'97(Trondhime)
AQUANOR'97は、世界各国の水産養殖関連企業が集まり、展示や技術情報交換を行うため、隔年毎に開催される。展示参加企業は約500社がA〜Fのブースに別れて養殖水槽、養殖設備機器、餌、ワクチン等の展示説明等を行っている。
今年は食品加工機械をメインテーマに行っていたが、特に、自動ワクチン注射装置が展示されており、パイプの中を魚が通過する時にセンサーで体長を計測して、注射を打つ位置を決めている。注射の能力は1匹/sec程度である。
写真7にAQUANOR'97会場の一部を示す。
2.2 フランス
フランスでは、 陸上養殖でヒラメとニゾマスの養殖場を経営している施設と、陸上養殖システムの設備や管理システムを製作・販売している企業を中心に調査を行った。フランスではSEDIA社のPatrick氏に案内して頂いた。